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「自分を励ます言葉」に見る日本人の特質

日本人の能動と受動

  • 相澤 利彦

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2011年11月29日(火)

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 ワンページ・スライドの極意として、「ネットは市場全体を縮小させてしまう」では、ネットによる市場縮小効果をグラフ活用した分析で検証し、物事の因果関係をワンページに落とす分析例を提示した。「勝つチームマネジメントを野球とボートから学ぶ」では、巨人軍の会長批判問題も例にとって、組織マネジメントの面から問題の本質に迫る分析の切り口を提示した。「情報分析の正しい深掘りの極意」では、コンビニチェーン経営者としての実事例に基づき、分析深掘りを正しく行った結果として最初の仮説と180度異なる結論を検証した例を示した。

 そして最終回である今回の「『自分を励ます言葉』に見る日本人の特質」では、ある新聞記事を起点に、分析を深掘りして物事の整理をしつつ、示唆をえぐり出し理解を深める事例を提示する。まずは下記のスライドをご覧いただきたい。

 2010年末、日経新聞の土曜版に掲載された記事からの引用である(一部の表現は短縮化・変更しています)。日本人の「自分を元気づける言葉」と題してアンケートに基づき上位から20の言葉が票数とともに掲載されていた。この記事を眺めながら「ふーん、そうなんだ」と読み終えることも出来たが、この記事は最初から「何か整理するぞ」と我が脳内の虫が騒いだ。やはり情報を眺めた時に、単に「ふーーん」で終わらせるのでは意味が無い。何か示唆を得て、初めて情報には意義がある訳で、逆に言うとこの情報だけでは記事を読む意義さえもないと思う。

 ということで、それぞれの言葉がどのような姿勢に基づくものかを整理して、票数とともに並べ替えてみた極意のワンページが下記である。

 整理の視点としては、それぞれの言葉の背後にある姿勢を敢えて4タイプに分けてみた。
(1)「あきらめ」、(2)「なぐさめ」、(3)「他人任せ、時間任せ」、(4)「自力」の4タイプである。例えば2位だった「まあいいか、気にしない」は「あきらめ」。4位の「明日は明日の風が吹く」は「時間任せ」。整理してみて判明したのは、14位の「人事を尽くして天命を待つ」や18位の「自分と未来は変えられる」といった言葉のように自力発想なのは約2割しか無いということだった。

 そこで、スライドのメッセージは「日本人が自分を元気づける時の大多数は『あきらめ』と『なぐさめ』と『他人任せ、時間任せ』である。『自力で努力して切り拓こう』、なんて奴は約2割の少数派に過ぎない」と結論付けた。

「情報の羅列」から「メッセージ」を伝えるスライドへ

 1枚目の「情報羅列」だけでは到底見えてこなかった示唆が絞り出されたことは言うまでも無い。私がこれまで企業経営やコンサルティングで企業改革に挑んできた過程で感じていた日本人の特質が、そのまま表れたようなチャートでありメッセージだった。日本人の「お上頼み」意識が強く滲み出たアンケート結果とも言えようし、フランス革命のように市民が自らの意志で血を流しながら民主主義を勝ち取った経験が無い国民性とも言えよう。

 提示した2枚のスライドの差を、再度比べていただくと、その2枚の間には大きな違いがあることに気付いていただけると思う。1枚目は単なる「情報羅列」であり、2枚目は「情報整理」の結果として上述のような「日本人の精神性としての自立意識は全体の2割に過ぎない」という示唆(メッセージ)が得られている。どのような情報に接しても、このような整理をする姿勢を持っていると、分析によって深い示唆が得られ、結果的にワンページ・スライドに落とすことが出来るのだ。

コメント1件コメント/レビュー

プレゼンテーションを作る時は、文字だらけでは伝わらないというところはとても共感しますし、ビジュアルやコアメッセージが大切だと思います。しかし、書籍が文字だらけなのは、文字だからこそ読み手がもつ経験や語彙に基づいた自由な想像をすることができ、読み手によって感じるところが異なるから価値があるのではないかと私は考えます。自分のイメージを相手にそのまま伝えたいコンテンツと、相手に自由なイメージを抱かせる余力を持つコンテンツと、それぞれの表現方法があっていいのではないかなあと思いました。(2011/11/29)

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プレゼンテーションを作る時は、文字だらけでは伝わらないというところはとても共感しますし、ビジュアルやコアメッセージが大切だと思います。しかし、書籍が文字だらけなのは、文字だからこそ読み手がもつ経験や語彙に基づいた自由な想像をすることができ、読み手によって感じるところが異なるから価値があるのではないかと私は考えます。自分のイメージを相手にそのまま伝えたいコンテンツと、相手に自由なイメージを抱かせる余力を持つコンテンツと、それぞれの表現方法があっていいのではないかなあと思いました。(2011/11/29)

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