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現状維持とは変えること

社員一人ひとりの役割を変化させて乗り切る

  • 津川 雅良

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2011年11月28日(月)

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 IT企業のシステム説明会に出席しました。そこで交わされたやり取りを紹介します。

説明員 「以上のように当社の販売管理システムは日常のデータを参照して豊富な資料を作成することが可能です。何かご質問はございますか」

私 「どのような統計手法を用いていますか」

説明員 「平均です」

私 「平均…。最頻値や中央値は」

説明員 「最頻値? 中央値? えっと後は前年比です」

私 「推移ですか。比較ですか」

説明員 「…。帳票見本をお渡しします」

私 「今のお話ですと帳票を拝見しなくても想像できます」

統計手法を誤ると危険

 販売予測は重要ですが大変な作業を伴います。統計手法の選択を誤ると危険です。

 平均は統計用語で「算術平均」です。言ってみればただの算数で経営の判断材料にはなりません。これが出ることをシステムのセールスポイントにされても経営者の心は動きようがありません。

 極端な例を考えてみましょう。ある地方都市に住む40歳代の平均年収が400万円だとします。住宅ローンの組み方によりますけれども、年収400万円の場合、借り入れが収入の30%に制限されますから2000万円の住居しか手に入りません。年収が600万円あれば収入の35%を借り入れでき3500万円の住まいを求めることが可能です。

 2000万円の住居となると地方都市でも3LDKのマンションが限界でしょう。デベロッパーはその地方都市に3LDK以下の住居を中心としたマンションを展開します。ところが全く売れません。

 実はその地域に大金持ちがいて平均年収を高くしていたのです。大金持ちを抜くとその地域の平均年収は350万円程度、マンションを建てても売れないわけです。この場合、平均年収ではなく最頻値か中央値を求めると350万円になり、建築は不適当と判断できます。

 「経営判断はそれほど単純ではない」と言われるかもしれませんが、平均値に頼って判断を間違うことは案外あるように思います。

 最頻値か中央値を見ればよいかというとそう簡単ではありません。企業の情報は常に動いています。定点観測した分析結果は「その時」を示しますが「今」や「将来」につながる保証はありません。

 自動車メーカーのフォードはT型フォードの量産で有名ですが、その次の車の開発で大失敗をしました。全米の市場調査に2年をかけ、当時のコンピューターが出した結論は「自動車の購入は収入に比例する」でした。それに合わせて車を作ったのです。

 ところが2年の間に消費意識は劇的に変化し、「収入に関わらず良い車が欲しい」という消費者が多数派になっていました。新型車は市場の要求を満たすことができず、フォードは短期間で生産ラインを閉じなければなりませんでした。

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