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震災の翌日から営業を再開できた理由

回転寿司最大手のスシローが見せた迅速な対応

  • 峯村 創一

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2011年12月6日(火)

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 東日本大震災でサプライチェーンや物流網が寸断され、日本企業の多くは事業活動の停止を余儀なくされた。その反省から、新たに創造していくべき経営のモデルとは──。企業で経営再創造の最前線に立つ実務家の取り組みや識者の論考を通して模索していく。

 今回のテーマは外食業界のリスクマネジメント。震災で道路網が寸断され、食材などの店舗への配送が混乱に陥ったうえ、東京電力福島第1原子力発電所の事故によって「食の安全」が脅かされるなど、アクシデントに翻弄され続けた。

 全国展開している大手外食チェーンは、この危機的状況にどのように立ち向かったのだろうか。回転寿司チェーン最大手に躍進したあきんどスシローの堀江陽・仕入部副部長に聞いた。

(取材構成は、峯村創一=フリーライター)

 東北地方の沿岸部は日本有数の漁場だが、津波によって漁港が壊滅的な被害を受け、水揚げが失われたままである。しかし、当社への影響は、それほど大きくなかったと言える。魚介類は「最良のもの」を世界中から集めており、東北に限らず国内の特定の産地に依拠しない構造になっているからだ。

 とはいうものの、当社も被害を受けなかったわけではない。宮城県石巻市にあるヤナギダコ(北海道産)とシメサバの加工場を津波で失ってしまった。そのため、生タコ、シメサバ、イワシを使ったメニューが半年間、不安定な状態での販売となった。ただ、いずれも客足を著しく左右するほどの売れ筋メニューではなかったため、売り上げへの影響は軽微だった。

 他の魚介類についても、仕入れへの影響は最小限で済んだ。例えば、銀鮭や国産のトラウトサーモンは、津波で養殖場から逃げてしまったが、足りない分は既存のルートであるノルウェーやチリからの輸入量を増やすことによって、十分に対応できた。

食材を搬送するために代替ルートを緊急に確保

 地震直後の混乱の中で我々の頭を悩ませたのは、仕入れの確保よりもむしろ各店舗への食材などの配送だった。通常、スシローでは店舗における在庫は1~2日分しかなく、食材の供給が止まれば、店舗の営業はたちどころに停止してしまう。道路網が寸断される中で、通常通りに店舗へトラックで配送できるのか。そもそも、あのような非常時に店を開けるべきかどうか。判断に迷った。

 当時は電気や水道、ガスなどのライフラインが止まった地域もあり、お客様は家庭で炊事ができず、困っておられた。また、スーパーに買い出しに行っても棚に商品がなく、日常の食事にも事欠く状況だった。

 これを見た当社社長の豊崎賢一は「こういう時こそ店を開けよ。お客様に食事を提供することが、我々にできる社会貢献だ」と指示を出した。

 それを受けて、震災の翌日(3月12日の土曜日)には多くの地域で営業を再開し、同時に店舗での在庫を途絶えさせないために食材供給網を復旧させる取り組みを進めた。こうして、震災から2日後(3月13日の日曜日)には東北地方とライフラインが止まったままの一部店舗を除く全店に食材の供給を行い、店舗での営業を維持できる環境を整えた。

 もちろんそれは簡単なことではなかった。先述のように東日本の道路網が寸断されていたからである。それに代わる配送ルートを素早く確保しなければならなかった。

 例えば関東の流通拠点から北海道札幌市内の店舗への食材の配送は、通常は陸路で行っている。ところが、東北方面の高速道路が全面通行止めとなったため、関西の流通拠点から福井県敦賀市発・日本海経由のフェリー輸送に切り替えた。北海道内で大量の荷を一時保管できる冷蔵倉庫を緊急に押さえ、そこを中継基地として店舗へ配送した。

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