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震災を受けて企業が育成すべき危機管理者の条件

育成で留意すべき5つのポイント

  • 安部 誠治

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2011年12月6日(火)

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 3月11日に発生した東日本大震災──。地震、津波という自然災害に原発事故という社会災害が重なり合う未曽有の事態は、これまで社会や企業が前提としてきた安全の常識を次々と覆した。3月11日を境にどのような常識が新たに形成されていくのか。それに応じて社会や企業活動の安全マネジメントをどう変えていかなければならないのか。

 自然災害と事故などの社会災害の両方に精通した防災や危機管理のプロを育成する。そうした専門教育の場として日本で初めて誕生した関西大学社会安全学部の教授陣が、社会や企業の安全マネジメントについての新たな考え方や具体策を講義していく。

 最終回となる今回は、安部誠治教授が、東日本大震災を教訓として、企業が自社で育成すべき危機管理の専門家の要件について論じる。同教授は公共交通システムの安全問題に関する第一人者で、2007年から2009年まで関西大学の副学長を務めた時に社会安全学部の開設を推進した。新たな危機管理の専門家の要件として2つの資質を指摘するとともに、育成する際に留意すべき5つのポイントを提示する。

(構成は、峯村創一=フリーライター)

 東日本大震災とそれに伴って起きた東京電力・福島第1原子力発電所の事故を受けて、企業は自社の危機管理のあり方を再考し、危機管理を担当する人材の育成に乗り出し始めている。

 背景には、震災に原発の事故というかつて経験したことのない未曾有の災害が重なったことがある。

 例えば、東北地方の太平洋側の沿岸部を大津波が襲い、一瞬にして壊滅的な被害をもたらすことなど、ほとんどの企業が想定していなかった。また、地震後に首都圏の交通が大混乱に陥った事態に対しても、多くの企業は即座に適切な対応を取れなかった。

 さらに原発事故による電力不足や放射性物質の拡散という未知の事態に対しては、従来の体制や経験則が全く通用しなかった。こうしたことから、企業は自社の危機管理の体制を見直し、マニュアルなどで想定していない未曾有の事態が起きても、即興的に対応できるような人材を育成する必要性に迫られたのである。

専門分化した分野をつなぐ人材が必要

 では、新たにどのような人材を育成すべきなのか。ポイントの1つになるのは、行き過ぎた専門分化に対する反省である。近代以降の学問は、専門分化を進めることによって知見を増やし、発展してきた。特に理工系はその傾向が顕著で、今や学部で4年間学ぶだけでは専門分野の十分な知識を習得できず、修士課程に進学することが必須になっている。

 それは裏返せば、全員が専門分野というタコツボの中に閉じこもり、それ以外の分野には疎くなっていることを意味する。その結果、さまざまな分野の専門家が集まったプロジェクトでは、隣接する分野についてさえもうかつに口出しできなくなり、分野間の「つなぎ目」の部分が手薄になるという現象が起きる。

 阪神・淡路大震災の時もそうだったし、今回もそうだが、例えば、電話会社の通信施設の中の機器や設備は地震で損壊していないのに、外部の電源などが損傷して、電話がつながらなくなるといった事態が生じた。このように設備の主要な部分は地震のことをしっかりと考えて強固に作ってあっても、担当者間の死角になっているシステムの「つなぎ目」のところ、つまり周辺部でトラブルが発生することがよくある。

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