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廃業に脅える証券業界

商いは全盛期の3分の1で、市場に吹く木枯らしは強く

  • 山口 義正

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2011年12月21日(水)

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 12月19日、大きなニュースが市場を騒がせた。北朝鮮の金正日総書記の死去だ。これを受けて韓国総合株価指数が5%近く急落し、上海市場では株価指数が一時、年初来安値を更新。外国為替市場では韓国ウォンが売られ、有事のドル買いを誘った。

 韓国や中国の株価急落を見て、東京市場では午後の取引で株価指数先物が売られて下げ幅を拡大。日経平均株価の終値は前日105円安の8296円となり、11月28日以来の8300円台割れとなった。

 ところが、である。この日の売買代金はわずか8100億円。「金総書記死去のニュースがなければ、商いはさらにしぼみ、今年最低水準になっていたかもしれない」(準大手証券)という。クリスマスシーズンに入って外国人投資家の参加が減っているのも、商い低調の一因であろうが、東京市場の売買減少は相当深刻だ。

 そして売買の低迷が証券会社の業績どころか、存続に影響し始めている。もしかすると日本の証券市場の存続と言い換えた方が、より過不足のない言い方かもしれない。

 年末――。証券界にとって、このところは単なる「1年の終わり」以上の意味がある。特に中堅証券にとっては、翌年3月の期末に廃業するかどうかを決めなければならない時期となる。

 背景は様々だ。ネット証券の興隆により個人顧客を奪われたことを古くからの要因とするなら、新しい要因としては東京証券取引所が2010年1月に導入した新取引システムで株式のディーリングが成り立たなくなってしまったことが挙げられる。今年は、荒れる割に商いが盛り上がらない東京市場の売買低迷がさらに追い打ちをかけている。

 この秋、2010年まで東京・日本橋兜町で営業していた中堅証券会社の本社オフィスビルから看板が外され、オフィスはがらんどうになった。廃業した後の清算業務が終わり、オフィスを明け渡したと見られる。この証券会社は経営不振で会社を畳んだのではない。財務指標から見れば、まだまだ余裕があった。
しかし「当社のような小規模業者では証券業者として経営を維持するのは将来的に困難」と判断、廃業を選んだ。

 2011年も秋頃から証券業から撤退する動きが出始めている。まだ公式に発表されていないが、ディーリングに特化していた中堅証券が11月に入ってすぐに廃業を決め、社員に通知した。廃業を決めるきっかけとなったのは、今年夏の相場下落で投資助言契約を結んでいたヘッジファンドが軒並み破綻してしまったことだ。破綻による収益への影響はさほど大きなものではなかったが、自社の先行きについて見通しが立たなくなってしまったという。

 日本証券業協会によると、11月20日時点の協会員は293社。2008年末時点では322社あった協会員が、徐々にではあるが、減り続けている。前述の廃業を決めているという証券会社社員は「財務基盤に比較的余裕のあるウチでさえ会社を畳まざるを得ない相場環境。廃業を公表すれば、3月期末に向けてこれに続く会社が出てくるだろう」という。

 これまで指摘してきたとおり、日本の証券市場は危機的状況に追い込まれている。売買代金は低迷が続き、「この12月は1日当たりの平均売買代金は、2003年以来の1兆円を割れとなる公算が大きい」(市場関係者)という。リーマン・ショック前には3兆円を超える日も珍しくなかったのが、今では3分の1程度でしかない。

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