「横田尚哉のFAで考える日本再生」

年末年始に読んで欲しい「自分改善」

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2011年12月22日(木)

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 期末や年末は、振り替える時、見直す時と言っても良い。企業であろうが、個人であろうが同じだ。これまで行ってきた活動の成果を振り返る時であるからだ。達成できたのか、できなかったのかが、実感出来る時なのだ。そして、次の一年にむけて何をやめ、何を始めればいいのかを、じっくり考える時なのだ。

 そこで、ファンクショナル・アプローチ(FA)のテクニックを使った自分改善を紹介する。日常から一歩離れて、じっくり取り組んでもらいたい。最後には、フレームワークを用意した。そのまま埋めれば、アクションプランの出来上がりだ。

自分を改善してみないか

 FAは、視点を変える方法論である。これまで問題解決、改善、改革、企画、開発、発明、発見などに大きな効果を生み出している。その適用範囲は実に広く、企業活動にも個人活動にも活かしていける。プロダクトやプロセスを対象に行うことが多いが、実は、自分自身を改善する時にも使えるのだ。

 もちろん、FAでしか改善できないものではない。がむしゃらに努力する人、専門家のアドバイスを受ける人、道具を使って変えていく人、新しい環境に飛び込んでいく人、いろいろだろう。自分にあった方法を使っていけばいい。

 しかし、FAの最大の特徴は、その本質を捉えていくことが出来る点だ。現行方法を分析しながらも、現行方法に囚われず、あるべき姿に向かっていけるのだ。先入観や固定観念から逃れることができれば、それだけで改善の緒が見つかるものだ。FAの最大の特徴は、手段ではなく目的をフォーカスする点なのである。

 だから、自分改善にFAを活用してもらいたい。まだまだ改善できるはずだ。いくら他人の知恵を借りても、本質が改善できなければ意味が無い。本質をしっかり捉えて欲しい。新しい自分の創造だ。「自分3.0」にバージョンアップする時だ。

改善とは高みを目指すこと

 果たして改善とは、何だろうか。筆者の理解はこうだ。不備を正すような受動的な活動ではなく、より高みを目指す能動的な活動である。つまり、環境に合わせた順応であり、成長であり、進化であり、発展なのである。だから改善にゴールはないのだ。常に改善への努力、調整を続けていく「自分への挑戦」ということなのだ。

 問題解決というのもある。同じような意味で使われる。筆者の理解はこうだ。問題解決とは、ある活動を進める上で、障害となる事象を障害でなくする活動である。つまり、取り除いたり、乗り越えたり、回避したりするコトである。

 そうすると、改善と問題解決の関係はこのようになる。改善とは、問題解決を繰り返しながら、高みを目指すことである。端的に言えば、「改善」とは長所を増やすコトであり、「問題解決」は短所を減らすコトである。ソフトウェアで例えるなら、「問題解決」がバグ修正で、「改善」がバージョンアップと表現できる。お分かりいただけただろうか。

 だから、自分を改善してもらいたい。ただ問題を解決するのではなく、高みを目指してもらいたいと言うことだ。そこで、FAという方法論を使った、自分改善の手順をご紹介する。この作業は、最低でも年に一度、時間を作って行なってもらいたい。

自分を改善する手順

 はじめに全体の手順を説明しておく。全部で4つだ。1つ目は「準備」、2つ目は「認識」、3つ目は「分解」、4つ目は「再構築」である。本来はその後に、「実行」と「測定」があるが、ここでは述べない。なぜなら、最初の4つは一気に行うものであり、とても重要な手順だからだ。残りの2つは、時間をかけて行うものなので、ここでは省略する。

1つ目「準備」

 この手順で行うことは、改善環境を整えることと、必要な情報を集めることである。改善環境とは、時間と場所の確保だ。大切な改善なだけに、集中できる環境を整えて欲しい。必要な情報とは、自分に関する情報だ。やっている「コト」、やらなければならない「コト」、やりたい「コト」を捉えることである。

2つ目「認識」

 この手順で行うことは、「コト」の役割を見つけ出すことである。「準備」でいろいろな「コト」を集めた。その集めた「コト」はどのような役割や働きがあるのかを、抜き出すのだ。その際、誰に対してなのか、誰のためなのかについても認識しておくことだ。

3つ目「分解」

 この手順で行うことは、役割をファンクションに置き換えることである。その際、名詞と動詞の2語で置き換えるという決まりがある。しかも、動詞は他動詞を使うのだ。「名詞+他動詞」の表現に置き換える手順といっても良い。

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著者プロフィール

横田 尚哉(よこた・ひさや)

横田 尚哉株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長。顧客サービスを最大化させる経営改善コンサルタント。
世界最大企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の価値工学に基づく改善手法を取り入れ10年間で総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。
「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的。人間ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(毎日放送)にも出演し大きな反響を巻き起こす。
全国から取材や講演依頼が殺到し、コンサルティングサービスは約6ヶ月待ち。「形にとらわれるな、本質をとらえろ」という一貫したメッセージから生み出されるダイナミックな問題解決の手法は、企業の経営改善にも功を奏することから「事業改善」「チームデザイン」「組織改善」の手法としても注目が高まっている。
著書に『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》』(ディスカヴァー刊)がある。





このコラムについて

横田尚哉のFAで考える日本再生

 2011年3月11日の東日本大震災は、日本と日本人にとって大きなダメージを受けた。とりわけ、被災された地域の住民や企業は、深刻である。地域や経済はこれからどうなるのか、生活やビジネスはどれだけ影響をうけるのか、予測もつかないだろう。今、とてつもない不安に苛まれているのではないだろうか。
 私たちは、これまで幾度となく自然災害を経験し、なんとか乗り越えてきている。その度に技術力、結束力を発揮し、経験と知識を活かしてきた。今回の大震災も、きっと乗り越えることが出来るに違いない。私たちは、今なおそのための努力を日夜しているのだ。
 しかし、そんな程度でいいのだろうか。乗り越えることで、私たちの不安は解消されるのだろうか。乗り越えた後の地域は、日本は、それでいいのだろうか。何かが足りなくはないか、どこかを変えなければならないのではないか。 筆者は20年以上にわたり、社会づくりのためのコンサルタントをしてきた。公共事業や民間事業、政府や企業や個人に対して、ファンクショナル・アプローチをつかって障害を乗り越えるお手伝いをしてきた。先入観や固定観念にとらわれない未来を創造してきた。
 いまこそ、そのスキルを日本のために使いたい。国・地方自治体、企業、個人にいたるまで、日本再生に向けて、戮力協心のときが来た。この連載を通して、様々な角度から、論じてみたい。

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