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金正日後のシナリオを描いてリスクに備えよう

国外脱出者の行き先は韓国だけとは限らない

2011年12月26日(月)

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 先週の月曜日、北朝鮮の金正日総書記死去、というニュースが飛び込んできた。

 直後の安全保障や北朝鮮問題の専門家の方々のご意見、あるいはメディア各社の記事を拝見すると、権力闘争が起こり得るという前提で、「何が起こるか」という議論が現時点で大きな焦点になっているようだ。

 では、我々ビジネスの側は、いま何を考えておくべきか。

 それは、「何が起こるか」ということよりも、
  1. (1)
  2. 仮に不安定な状況になった際、どういう2次、3次の波及効果が発生するのか
  3. (2)
  4. 自分自身のビジネスにどういう影響があり得るのか
  5. (3)
  6. ネガティブな影響があり得る場合、どうやってそれを極小化するのか
 ということを、きちんと検討することだと思う。

 このコラムでも、再三再四述べさせていただいたシナリオプランニングなどによって、可能な限りのリスク想定と、それに対する備えをしておく、ということにほかならない。

大量の難民や国外脱出者が出てくる可能性

 日本企業にとっては、経済制裁が継続されている状況下、今回の件がすぐに直接大きな影響をもたらす、という向きは少ないはずだ。しかし、当面の権力継承が円滑に行われたとしても、1~3年という時間軸で見ると、同国にさまざまな不安定要因が存在し続けることは否めない。

 軍の暴発リスク。経済疲弊、食糧不足。前述のように、「何が起こるか」という意味では、シナリオの前提をいくつも立てることができる。ただ、多くの場合に共通するのは、大量の難民、国外脱出者の発生、という事態への発展だろう。

 WFP(世界食糧計画)などの国際機関によれば、北朝鮮の食糧不足は深刻化しており、数百万人単位の人々が飢餓リスクにさらされているという。また、米国、そして日本のメディアでも一部報道されたところによれば、食糧援助と引き換えにウラン濃縮を停止する、という水面下での米朝交渉が進み、あと数週間のうちにも対外発表にこぎ着ける段階まで来ていた、という話もある。同国の食糧問題が、相当厳しさを増している、という証左かもしれない。

 国内の治安状況悪化、内戦や戦争のリスク顕在化、ということがこれに加われば、相当数の脱出者が生じる可能性は高い。

 地図を眺めてみるとすぐ分かることだが、こういった脱出者が向かう先は、韓国だけではなく、多岐にわたり得る。国境に接して、朝鮮族自治区がある中国北東部の国境地帯は当然として、海を渡れば、大連や青島も、想像以上に近い距離圏内にある。

 北朝鮮北部の住民にとっては、ロシアのウラジオストック、ナホトカといった地域も、季節によっては選択肢となる。もちろん、日本海側の日本の諸地域を目指す人々も出てくるに違いない。

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「金正日後のシナリオを描いてリスクに備えよう」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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