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「独裁」はいつ「必要」とされるか

カダフィの死から振り返る金正日

2011年12月26日(月)

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 寝耳に水とは今の事態を指すためにある言葉のようなものでしょう。「金正日総書記死去」。12月19日のお昼「常識の源流探訪」の原稿チェックに、と開いたウエブ版日経の一面トップに12時3分づけで出ていた大見出し。期せずして北朝鮮国営放送が正午に発表したばかりの金総書記の訃報を4、5分の時差で見ることになりました。

 ちょうど移動中で他に方法がなく、ネット上で「金正日」とか「訃報」とか入れて検索してみるのですが、まだウエブにはまったく記事が出ていません。

 「金正日」のウィキペディア項目も引いてみましたが、まだ生きてることになっている。どこにも「逝去」などという情報は出ていない。とはいえ日経が一面に打ってるんだから、そうそうガセでもあるまいと思いながらツイッター上で「ウエブ版日経に金正日総書記の特別記事、ほんまかいな?」と呟いたところ、すぐに「いまテレビでやってます」等々、多くの方から情報を寄せて頂きました。なるほどこれは本当らしい、と漸く思ったような次第。ネットで感じる世の情けでありました。

歴史が動き始めた2011年

 今年一年、全世界が本当に大きな曲がり角の年になってしまいました。日本にとっては3月11日の震災と、それに続く福島第一原発事故災害。グローバルには年初のチュニジア動乱に始まりエジプトなど中東での不安定状況、5月以降はオサマ・ビン・ラディンとされる人物の殺害など9.11同時多発テロ十年目での「イスラム過激派」掃討作戦、夏場にはリビアのトリポリが陥落し秋には元「最高指導者」カダフィ大佐が捕捉・惨殺、年の瀬にかけてのユーロ危機・・・。

 歴史が動き始めたのを嫌でも見せつけられる2011年でした。が、さすがにこれで年貢も納まったか、と思っていたところ、予想もしない形でやってきた「金正日死去」の報。

 私たちも本当に驚きましたが、日頃から北朝鮮情勢、とりわけ金正日総書記の健康状態情報に注目していた韓国当局筋にとってすら寝耳に水であったとのこと。改めて北朝鮮の情報統制の強さを痛感します。

「影武者」の二日間

 北朝鮮国営放送が伝えたところによれば「2011年12月17日(土曜日)の朝8時半」金正日総書記は「現地指導に向かう列車内で」「肉体的疲労のため死去」したとのこと。

 17日土曜の朝の死去から、19日日曜の正午の発表まで、まる二日と3時間半ほど「空白の時間」があるわけで、この「時差」を分析しようとする記事も目にしました。

 北朝鮮問題の専門家などではありませんので、踏み込んだ事は何もいえませんが、確実な事として「逝去」から「発表」までの間、さまざまな問題の処理に当たったのは金正日総書記自身ではありえない、という点を挙げられるでしょう。

 「死去」の発表直後の時点では、ウィキペディアの項目ですら直っていない。情報社会の中では「金正日」は現存の存在になっていた。あえて穿った書き方をすれば、その間の2日間「情報としての金正日の影武者」が、結果的に存在していた様な形になっていた。

 実際、安全の確保のために「金正日のそっくりさん」替え玉が何人も用意されているらしい、といった、真偽のほどは知りませんが、さまざまな伝説が囁かれてきた人物です。

 しかし、都市伝説的に囁かれてきた「実は金正日自身は既に亡く、メディアに出てくるのは影武者」といった話を考えるに「死亡してから2日後の発表」は(北朝鮮という国としては)十分迅速な動きと言えるかもしれません。

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