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「信仰」としての北朝鮮「チュチェ思想」

「生き神」再生産の是非を問う

2011年12月28日(水)

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 10月から、伝統的なイスラム帝国と、西欧列強の帝国主義の歴史的な因果を振り返っていたわけですが、そこに飛び込んできた「金正日死去」の報。

 急なことで大変に驚きました。私は取り立てて北朝鮮情勢に詳しいというようなことはまったくありません。しかし、タイミングがタイミングであったからでしょう、この両者、つまりイスラムと北朝鮮を並べて考えてみて、ちょっと気がついた事がありました。

 北朝鮮「独自」の社会主義「主体思想(チュチェしそう)」が、社会主義あるいはマルクス主義の流れの中で一種の「原理主義」として機能しているんですね。そのあたりを少し考えてみたいと思います。

朝鮮戦争を振り返る

 状況の整理に、まず「チュチェ思想」とは何か、ごく大雑把ですが確認しておきましょう。といっても、この「チュチェ思想」の捉え方そのものからして、非常にデリケートな面を含みますので、以下は何をどう考えるか、という入り口の整理に留まるものですが。

 「チュチェ思想」とは「朝鮮民主主義人民共和国ならびに朝鮮労働党の公式政治思想」である。

 ここまでは多分、大きく異論はないと思います(それでよいのか?というのが本稿の主題なのですが。つまり「政治思想」としてチュチェを見ると、却って見えにくくなるものがあるように思うのです・・・)。

 ここでさらに一歩下がって、朝鮮民主主義人民共和国とは何か? を考えてみると、朝鮮戦争を振り返る必要があるように思われます。

南北朝鮮分断の源流

 第二次大戦直後の1945年9月2日、連合国への日本の降伏文書をもって朝鮮半島の日本の統治は終わりました。が、その直後から北緯38度線を境界として、これより北をソヴィエト連邦が、南をアメリカ合衆国が占領し、おのおのの地域で軍政が敷かれました。分断状況の原点です。

 この後、朝鮮の信託統治を目指す調整が試みられましたが、交渉は難航を繰り返し、ついに1948年8月15日、米国は南部単独での「大韓民国」建国に踏み切ります。

 これに対して9月9日、北半分で成立したのが「朝鮮民主主義人民共和国」北朝鮮で、双方とも朝鮮半島における唯一の正統な政府であると主張、2年後の1950年6月25日に北朝鮮が南に侵攻する形で朝鮮戦争が勃発、半島全体が壊滅的ダメージを蒙ってしまいます。

 東西冷戦初期最大の国際紛争「朝鮮戦争」は1953年7月27日、ひとまずの「休戦」状態となり、基本的にはこの状態が現在まで続いている。

 これが朝鮮半島分断の基本状況であって、現在も「軍事境界線」をはさんで小規模な衝突を繰り返しているのは、ひごろ報道されている通りです。

 こんな具合で、大国間の思惑によって宙吊りにされた格好の朝鮮半島の20世紀後半、ここで北朝鮮が「反ソ連」の姿勢を明確にすべく打ち出したのが、そもそもの「主体思想」の原点でした。つまり、当初の北朝鮮労働党のテーゼとしては「ソ連指導の社会主義ではなく、我々朝鮮式の社会主義を」という性格が濃厚だった。

 1956年以降、毛沢東によるフルシチョフ批判から「中ソ対立」が深まるにつれ、社会主義陣営内で両大国に挟まれた格好の北朝鮮は独自路線を選択、その政治思想的な柱が模索され、今日「チュチェ思想」と呼ばれるもの少しずつ形をなし、また形を変えて行ったようです。

「首領さまに絶対服従」という「主体」性

 しかしここで言われる「主体」チュチェとは一体何なのでしょうか? 実は「主体の定義からして明確ではなく、状況によってしばしば変化しているというのが実情のようです。トランプゲームでのジョーカーのように、都合によって姿を変える「主体思想」で、ただひとつ、常に変わらないとされるのは「指導者原理」と呼ばれるものです。これは

「革命と建設の主人公である人民大衆は、必ず首領の指導を受けなければならない」

事を謳うもので、具体的には国家が人体に喩えられて説明されます。

コメント4件コメント/レビュー

私個人的な視点で恐縮ですが、チュチェ思想って、マルクス=レーニン主義に原始的シャーマニズムを足して二で割ったような感じがしています。現代にも少し残っていますが、シャーマニズムを中心にした少数民族が存在しています。そうした原始的シャーマニズムの民族には、行き過ぎた霊魂崇拝が良く見られます。霊魂崇拝も度が過ぎると、意識が時間と死を超越してしまい、意識は宇宙へと飛んでしまいます。いわゆるトランス状態のことです。北朝鮮と同じ民族の韓国でも原始的シャーマニズム社会に良く似たところもあります。不幸な国の歴史による悲痛な先祖への霊魂崇拝が韓国にも根強く見られます。韓国人の中には、ビッグバンは韓国が起源だと大まじめに叫ぶ人達だっています。彼らの意識はすでに宇宙にぶっ飛んでいるため、そういう人間がいても何ら不思議じゃありません。北朝鮮の場合、そうした原始的シャーマニズムの社会に、マルクス=レーニン主義の思想が後追い覆い被さったような感じがするのです。北朝鮮の国営放送を見ると、意識がいつも宇宙へとぶっ飛んでるトランス状態のような事大口調ですし、将軍様を”生き神”として崇拝したって何も不思議じゃありません。(2012/01/02)

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私個人的な視点で恐縮ですが、チュチェ思想って、マルクス=レーニン主義に原始的シャーマニズムを足して二で割ったような感じがしています。現代にも少し残っていますが、シャーマニズムを中心にした少数民族が存在しています。そうした原始的シャーマニズムの民族には、行き過ぎた霊魂崇拝が良く見られます。霊魂崇拝も度が過ぎると、意識が時間と死を超越してしまい、意識は宇宙へと飛んでしまいます。いわゆるトランス状態のことです。北朝鮮と同じ民族の韓国でも原始的シャーマニズム社会に良く似たところもあります。不幸な国の歴史による悲痛な先祖への霊魂崇拝が韓国にも根強く見られます。韓国人の中には、ビッグバンは韓国が起源だと大まじめに叫ぶ人達だっています。彼らの意識はすでに宇宙にぶっ飛んでいるため、そういう人間がいても何ら不思議じゃありません。北朝鮮の場合、そうした原始的シャーマニズムの社会に、マルクス=レーニン主義の思想が後追い覆い被さったような感じがするのです。北朝鮮の国営放送を見ると、意識がいつも宇宙へとぶっ飛んでるトランス状態のような事大口調ですし、将軍様を”生き神”として崇拝したって何も不思議じゃありません。(2012/01/02)

主体思想は、名前だけで、内容は一切、知りませんでしたが、ナチズムの指導者原理に近いと思いました。権力闘争を合理化するために生み出されたと考えるのが良いのではないですか?(2011/12/28)

宗教ってのは理屈ではなくて、取引ではなくて、まずはすべてを神に委ねるところから始まると理解しています。生き神様ですか。うーむ、鎌倉仏教の指導者たちも大衆を救うという目標に対して立場的には同じなのでは?当時の支配層からみれば、法然も親鸞も間違ったことをしていると。 問題は理屈にあるのではなく、選択の自由がないことと、粛清という恐怖による支配ということでしょう。指導者は失敗しないという嘘(日本の官僚にも通じるなと思いつつ)とか。オウムは強制されたのですか、同様の恐怖政治があったのですか。犯罪に加担した人たちは自ら選択したのではないのですか。洗脳ですか。どうも議論を混同しているように思います。 (2011/12/28)

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