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にっぽん中央税制の原点を考える

初詣の源流探訪、その2

2012年1月10日(火)

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 近頃はあまり使わない表現かもしれませんが、日本人が日本人に「お国はどちらですか・・・?」と尋ねられるようなやり取りが(すくなくともかつては)あったと思います。そんなとき「日本です」とは絶対に答えない訳ですね。

 こういうときは「国は新潟です」とか「和歌山です」とか「佐賀の出身です」とか、自分の故郷を言うわけで、「日本国」の中の「クニ」を尋ねられて、それに答える事になる。このあたりを考えてみると、実は「初詣」というものが元来もっている意味合いが、浮かび上がってくる気がするのです。

「連邦」として見る「日本」の始まり

 「クニのお袋から野菜を送ってきたよ」なんていう表現、21世紀の日本で、いまどの位、使われているのでしょう?「お国訛り」という言葉もあります。方言という意味ですね。こんな所からも明らかなように「クニ」という言葉はながらく・・・ここ千年程度の間・・・日本では日本国内の地域、地方の名を示すものに他なりませんでした。

 もっと明確に言うなら「武蔵国」「近江国」「豊後国」なんて具合で、今でいう「県」とだいたい同じような単位で「クニ」が集まっていた。仮に「武蔵のクニ」を一つの「国家」と呼ぶとすれば、日本は千年来「国家連邦」であったという事が出来るかもしれません。

 これは何も、思いつきの冗談で言っているわけではなく「各国」の支配層と「連邦中央政府」とが統治のネットワークを確立することで、「日本」という一つのカタマリが出来上がった。後に「律令国家」と呼ばれるようになった「日本」の成立は、実はこうした「連邦」にあると考えると、非常にスッキリ判ることがあります。

 これは歴史家の間で、すでに常識となって久しい基本的な事柄として、日本では古代から中世にかけて長らく「二重統治」が続いていました。

 歴史の授業で親しみ深い言葉を使うなら「守護」と「地頭」というのがこの「二重」の両者にあたります。中学や高校の授業では、中々このあたり明確に教えてくれない事が多く、よく判らないなぁ、と思っていたのですが、中世史の本郷和人さんのご研究から、荘園の二重統治という構造をクリアに理解できるようになり、随分スッキリとした記憶があります。

 素人なりの私の理解ですが、守護というのは要するに中央から派遣されてくる官僚ということで「肥後守」「薩摩守」なんていう位階とくっついた存在、いってみれば「キャリア」ということになります。

 これに対して「地頭」というのは在地の豪族、つまり地元の実力者であって、たたき上げのノンキャリみたいな存在、で実際に本当に力を持っているのは、こちら地元勢力であって、中央から派遣されてきたお公家さん、国司という人たちですが、これらはシバシバお飾りというか、地元の本音のメカニズムに噛み合っていないことも多い・・・

・・・なんて書いていると、いったいナニ時代の何の話だか分からなくなりますね。これは21世紀の日本の地方自治やら税務署、警察署やらのお話ではなく、まぎれもなく古代から中世にかけての「国司」とか「国衙」とか言われるもののお話です。

 それでも、大宝律令の時代の構造が、21世紀の今日までなにか引きずっているとしたら、その根は大変に深いものといえるかもしれませんね。

なぜ二重統治なのか?

 これは以前にも書いたことのある話ですが、私たちは現在でも「国税」と「地方税」という二種類のべつの納税を行っています。実はこの税の種別、飛鳥時代の律令以来、日本に連綿と続いている二重統治の、直接の名残ということができそうな存在に他なりません。

 このあたり「常識の源流探訪」たる所でありまして、古代から中世近世、そして近代現代と、日本では「地元の事は結局地元に任せなさい」というホンネと、「江戸おもて」とツツガナク繋がるというタテマエと、ダブルスタンダードのようなものが延々続いてきた側面がある。それが「二重統治」の原点に他ならないのですが、ではどうしてそういう事になったかというと、古代に「ヤマト朝廷」が日本を統一した、という歴史的経緯が大きかったらしいんですね。

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