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「つらい時、無心に返ってコツコツ進めば道が開ける」

第10回・イラン後編

  • 大角 理佳

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2012年1月20日(金)

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 毎日約43kmのランニングを積み重ねて約半年。ガリバーインターナショナル会長の羽鳥兼市氏、執行役員の須釜武伸氏、羽鳥氏の三男・彰人氏のランナー3人にはそれぞれ相当な疲労が蓄積されていた。途中から、週1日の休日を入れることにし、さらに月に1回程度は2連休とすることに決めた。途中でメディカルチェックなども行ってきたが、それでも身体へのダメージは防ぎようがなかった。イランの後半戦は温かい現地の人々の心に触れながら、自分の心と葛藤する日々となった。

「ズールハーネ」から感じたイランの心

 イランの人々はよく挨拶をしてくれる。入国前に抱いていた、漠然とした不安な気持ちを打ち消してくれたのは、街の人々のそんな対応だった。淡々と走る3人の日本人と、お揃いの黄色いジャンパーを着て彼らを見守るサポーターたちの姿は、現地の人々の目には不思議な集団に映ったのだろう。じっと見られることも多かった。そんな時はこちらの方から「サラーム(こんにちは)」と声を掛けると、ニコッと笑顔が返ってきた。この笑顔で、次第にランナーたちの心の壁も取れてきた。

 現地テレビ局で、このチームのことが放送されると、とたんに街の人気者に。沿道から声をかけられ、指笛を吹かれ、お菓子を勧められ、写真撮影を頼まれた。須釜氏は言う。「自分たちには『イランは怖いのでは』という先入観があったし、ニュースでは思わしくない情報も聞こえてきますが、一般の人々の日常は別のところにあるんですね。イランで出会う人々の温かさにはびっくりしました」。

「お客様は神の使い。お客様を大事にすることは、神を大事にすることと同じ」

 こんな考え方がイランの人々の考えの根底にあるのだという。裕福ではないのに、通りがかりの自分たちのために美味しいナンを焼いてくれ、もてなしてくれようとする人々。「日本人はこんなことができるだろうか」と思い、感謝する日々だった。

この日はコーディネーターのアリさんと。走りながらイランの有名な詩人の話をしてくれた

 首都テヘランでイランへの経済制裁に抗議するデモ隊が暴徒化し、英国大使館襲撃があった時、ちょうどチームが移動に使っているキャンピングカー「ガリバー号」が通りかかって蹴られるという一幕もあった。これまでどの国を通過しても経験しなかったことにチーム一同は不安な気持ちになったが、「こんなことは日常茶飯事。いちいち気にしては生活していけません」と、現地コーディネーターのアリさんは平然としたまま。その言葉通り、大使館周辺を離れると、街の様子は平穏そのものだった。

 ある夜、ガリバーの一行はとある町の議長から招待を受け、「ズールハーネ」というものを見学することになった。これはイスラムの歴史と文化に根ざした舞踏のようなもので、「英雄のスポーツ」とも呼ばれる。演者はコーランの流れる室内で伝統的な衣装を着て、鍛えなければ持ち上げることさえできないほどの、重いこん棒などをリズムに合わせて振り上げる。一見すると力自慢のようにも見えるし、スポーツというよりも宗教的な儀式のようにも見える。

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