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大手ライバルが偵察する一軒の小ホテル

稼働率よりおもてなし~ホテルナンカイ倉敷

2012年1月24日(火)

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 旅館が減り続けてきたのに対して、ホテルはこれまで増え続けてきた。旅館数にまだ大きく及ばないが、客室数だけを比べるとホテルのほうが多い。これは複数の小規模旅館に大規模ホテルがとってかわっている、ということでもある。かつて出張者や工事作業員を受け入れていた駅前の商人宿はすでにほとんどの地域から姿を消し、今はそこが宿泊特化型のビジネスホテルになっている。

 一見すると社会のニーズが商人宿から移り、そのビジネスホテルの経営は順風満帆のように見える。しかし多くの地方都市には全国に多店舗展開する大手ビジネスホテルチェーンが押し寄せる。きれいで清潔な客室を持つだけでなく、現場オペレーションを標準化し、低価格競争も積極的に仕掛けている。

 なぜホテル経営が難しいのか。それは装置型産業であり、また提供するサービスが労働集約的であるからだ。施設建設に多額の投資が必要なだけでなく、日々の清掃等の施設整備も欠かせない。フロントなどには客数によらず常にスタッフを配置しなければならない。ある一定の稼働率を維持できれば、施設整備や人材育成の経費を賄えるが、それを客数が固定費を下回れば経営環境はあっという間に苦境に追いやられる。

 このためチェーン店に押され、地方都市にあった独立系のビジネスホテルの経営環境は厳しい。商人宿が駅前から消えていったように、至る所でその灯が消え始めている。この影響かもしれないが、増加し続けたホテル数も、厚生労働省『2010年度衛生行政報告』によればここに来て初めて減少した。

 今回は岡山県水島のコンビナート地帯にある「ホテルナンカイ倉敷」を取り上げる。フロントスタッフが7人、レストランスタッフは調理場も含めて朝と夜で8~9人でやっている小さなビジネスホテルだ。実は知る人ぞ知るビジネスホテルで、ネットエージェントの口コミで高く評価されているだけでなく、全国展開するビジネスホテルチェーンも一目置き、ひそかに偵察に訪れる。

割烹旅館からの出発

 ホテルナンカイ倉敷はその地にあった割烹旅館「南海」に由来する。ホテルナンカイ倉敷の社長の田中安彦氏の両親が1957年に創業した当時は、コンビナートが水島に本格的に進出する前で、周辺はまだ住宅地であった。

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「大手ライバルが偵察する一軒の小ホテル」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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