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街コン、代官山、代々木、小金井市

“モノづくり”より“場づくり”に注目

2012年2月1日(水)

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 日本はモノづくりの国だ!どうしてこんなにも大きな声で叫ばなくてはならなくなったのでしょうか。日本が圧倒的にモノづくりの先頭を走っているときは、マスコミの話題にさえなりませんでしたから。

 それはモノづくりへの危機感の表れ、と同時に消費者の「モノ」への執着心が薄らいでいることへの焦りでもあるでしょう。消費をしない消費者に、モノで火をつけるにはどうすればいいか。そんなことばかりが、経済界の関心事でもあるかのように思えてしまいます。

消費者は本当に消費しないのか?

 では、消費者は本当に消費しないのか。今年の初売りの状況を見れば、まるでそんな心配はご無用とばかり、ドッと人が押し寄せました。特に仙台では信じられないくらいの人出。バブル期かと見まごうばかりの光景でした。もちろん、抑圧されていたものが堰を切って飛び出してきたのでしょうが、ここにこそ、これからのマーケティングのヒントが隠されているような気がしました。

 つまり、「モノより場」を提案するマーケティング。ここに来れば、楽しくなる幸せになる充足感がある、そんなプロポジションです。モノに飛びつく時代から、場に集まる時代へ。そういう観点でマーケットを見渡してみると、成功の鍵が見えてきます。

 昨年の漢字「絆」に象徴されるように、家族とあたたまる、仲間とつながるは、いまを生きる人にとって何よりも大事なこと。そのためにも、「場」は不可欠のインターフェースになるのです。

 例えば、いまホットな「街コン」。あっという間に日本中の街に広がりました。時間制限の中でいくつかの飲食店が回れていろんなものが食べられる。それ以上に、いままでならできなかった見知らぬ人との会話を楽しむことができる。これには驚きました。仲間以外とは話すのが嫌というのが若い世代の定説だったのですから。やはり、人は人との出会いを求めているのですね。

 ポイントは、参加のしやすさ。1人ではなく数人で申し込むだけ。場が用意されていれば、いまの若い世代も大丈夫なのです。大きなヒントかもしれません。

 ここでは、「モノ」は主役ではありませんが、おいしいものをサーブすれば、お店にとっても次回につながる期待が持てるのですから、「モノ」も重要なコンテンツになります。

 また、B1グランプリに端を発した○○グランプリも、いまや全国で毎週のように実施されています。二番煎じになりそうですが、どうしてまだまだ健在。人は人を呼ぶことの見本です。またここで優勝すれば、関連商品を含めて、モノへの価値も高まることが証明されました。新商品を世に出すヒントにもなりますね。

 もともと、場を持っている小売りですが、それを店から場へ広げたのが、TSUTAYAです。昨年オープンした代官山T-SITE※は、蔦谷書店をメインに、写真機店、電動アシスト自転車店、キッズサービス店、ペットショップ、カフェ、ダイニングなどを集めた大人のための場。人生の後半に向かっているおじさんでも、せかせかせずにゆったり楽しめる。ま、おしゃれな浮世床といったところでしょうか。社長の夢だったそうですが、場づくりへの直感が働いたようです。

 メインの蔦谷書店には、それぞれのジャンルのコンシエルジュを配置。たとえば、世界中を歩いた旅行ガイドが何でも相談にのってくれる。それで、話に夢中になったり、本に没頭したりして、結局は長居。売らんかなの店から、本を楽しまんかなの場への転換です。ここまで徹底されて、また来ない人はあまのじゃく。場はファンづくりに欠かせません。つまり、ブランディングにおける「体験」と「熱狂」のプロセスでした。

 こちらも昨年オープンした代々木ヴィレッジ。Kurkkuの小林武史さんがプロデュースした、大人のこだわりを追求した場です。敷地の庭には、世界中から集めた不思議な植物が繁茂。最高の音にこだわったミュージックバー、ライフスタイルショップ、世界の本屋さん、旅行屋さん、コンテナ居酒屋など、都会人の好きなテーストで場をつくっています。

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「街コン、代官山、代々木、小金井市」の著者

関橋 英作

関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケッター

外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当、成功に導く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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