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大河ドラマ「平清盛」の画面は「汚い」か?

初詣の源流探訪、その5

2012年1月31日(火)

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 今年の大河ドラマ「平清盛」の画面が「汚い。鮮やかさのない画面ではチャンネルを回す気にならない」と、兵庫県の井戸敏三知事がクレームをつけたというニュースが報道され、話題になっているようです。

 どこが「汚い」と知事が言っているのか、これは本人でないかぎり主観ですから、論争の一番のポイントを、実はきちんと認識できていないのですが、映像技術の問題はちょっと脇において、例えば衣装や装置などがよく時代考証され、過不足なく地味になったりする、それはとても良いことだと思うのです。

 かりに22世紀の放送で20世紀のドラマを放送したとしましょう。4丁目の夕日とかなんとか。で、出てくる人がみんな、20世紀の習俗だ、といって、横山やすしみたいな派手な背広とかばっかり着てたら、どうでしょう? ま、おかしいですよね。

 でもソレに近いことが、江戸期以前の時代劇では結構見られるような気がします。おおもとはきっと戦前の京都・太秦あたりの映画撮影技術にあったんじゃないかな、と邪推しています。白黒の画面でも十分生える衣装、とか、カラーになった当初は、それを鮮やかに強調したいですから、これでもか、と華美な衣装にしてみたり。

 そもそも歌舞伎を見れば判るように、日本人ってそういうもの、元来好きですよね。最近でいえば「マツケンサンバ」みたいな度派手な「ハレの世界」。

 でも、現在の優れたデジタル映像の時代、例えば樋口一葉「たけくらべ」みたいな世界を、本当に素材の質感がわかるみたいなシットリとした絵で撮ってくれたら、見る側としてはいいですよね、奥行きが深くて。仕事柄、どうしても音楽をつける目で映像を見る習慣がありますが、漫才師みたいな衣装と派手な動きばかりだと、正直食傷気味になります。趣味のいい時代考証が入っていると、うむ、やっぱし本物はいい!と僕ら職人は食指が動くものです。

ちょっと脱線:35年前の夏休みの思い出

 さて、どうして「清盛」の話から入ったかといえば、ニュースになっていたからでもありますが、もう一つ、この「時代考証」を本郷和人さんが担当しておられ、折に触れてネットにも裏話や用語の経緯などお書きになっていたからです。今年最初の「初詣の源流探訪」のシリーズ内で「清盛」時代考証のことに触れずに本郷さんのお名前に言及していますが、実は本郷さんは子供時代の歴史の部の先輩でして、個人的に大変強く影響を受けた(というか現在も受けている)からであります。

 やや脱線して私事を記しますが、1977年というのはもう35年も前の事になるのですね。当時12歳で中学1年生だった私は、学校のクラブ活動で歴史の部と地学の部に入りました。歴史は土器とか出てきますよね、地学は化石です。どちらも古いものを掘り出して調べたりするのが素敵と思っていたのです。中学高校とくっついた学校で、当時の最上級生は高校2年生だったのですが、このメンバーが凄まじかった。

 大津透(現・東京大学文学部歴史文化学科・東アジア古代律令制)、後藤治(現・工学院大学工学部建築学科・日本建築史)、そして本郷和人(現・東京大学史料編纂所、中世荘園史、専門はみな筆者が記しているもので、不正確がありましたらご指摘ください、すみません!)といった人たちが16、7歳の最上級生で、山梨に日帰りで寺社建築の見学に出かけたり、夏場は1週間ほど、やはり関西に実地検分の旅行に行ったりしました。

 中学1年といえばついこの間まで小学生だったガキです。で高校2年といえば、いま中年の私から見れば思春期と映りますが、中学1年の目から見るとヒゲなんか生えちゃって完全に大人です。最高学年の中では、大津さんは音に聞こえた天下の秀才で、書いてご迷惑にならないと思いますので記しますが、第一回共通一次試験の全国第1位だった人がいま国史の教授をしておられるのですが、当時から長身痩躯、ちょっと近寄りがたい位に切れ者感が漂い、畏敬の念を持ってみていました。

 また日本建築史の後藤さんも、当時はカモシカのようにスリムで、「かえるまた」とか「たるき」といった細かな部材のことで専門家と丁々発止の議論を交わす、メガネの奥に光る知的な目が印象的な先輩でした。

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