「鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」」

日本球界はドミニカの二の舞になるのか?

〜MLBが推進する国際ドラフト構想のインパクト(下)〜

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2012年2月9日(木)

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 前回までのコラムでは、MLBが推進する国際ドラフト構想の概要や、それが日本球界に与えるインパクトをお伝えしました。しかし、世界ドラフトをもう一段大きな視点から眺めると“別の景色”が見えてきます。そして、その景色こそ、世界ドラフトの持つ本当の恐ろしさを象徴するものなのです。

 今回のコラムでは、吸収・拡大をDNAとするMLBが世界ドラフトをツールとしてどのように活用しようとしているのかを概観し、日本球界の“今そこにある危機”について考えてみようと思います。

世界ドラフト対象国の共通点とは?

 MLBでは、2011年シーズン開幕時点で833名の一軍登録選手のうち27.7%に当たる234名が外国人選手でした。国籍別でみると、最も多いのはドミニカ共和国で86名、次いでベネズエラが62名。カナダとプエルトリコは現行のMLBドラフト対象となっているため、日本はドラフト対象外の国としては4番目に多い国ということになります。

 表からも分かるように、一軍登録の外国人選手はドミニカ共和国とベネズエラの選手だけで外国人選手の63.2%(MLB全体の17.8%)を占め、日本人選手(10名)の占める比率は外国人選手の4.3%(全体の1.2%)に過ぎません。

 日本以外のドラフト非対象国トップ5の名前を上から挙げてみます。ドミニカ共和国、ベネズエラ、キューバ、メキシコ、オーストラリア。これらの国に共有する点は何でしょうか? 実は、これらの国々はMLBの“人材供給地”として、あるいは“人材育成地(ファーム)”として実質的にMLB傘下に収められて行った国々です。

 つまり、これらの国々を対象とする世界ドラフトは、“系列子会社からの部品供給の最適化”という意味合いを持つものなのです。系列化された国々では一体何が起こったのでしょうか?

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著者プロフィール

鈴木 友也 (すずき・ともや)

鈴木 友也 ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。1973年東京都生まれ。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、マサチューセッツ州立大学アムハースト校スポーツ経営大学院に留学(スポーツ経営学修士)。世界中に眠る現場の“知(インサイト)”を発掘し、日本のスポーツビジネス発展のために“提供(トランス)”する――。そんな理念で会社を設立し、日本のスポーツ組織、民間企業、メディア、自治体などに対してコンサルティング活動を展開している。ほかにも講演、執筆でも活躍中。著書に『スポーツ経営学ガイドBOOK』(ベースボール・マガジン社、2003年)、訳書に『60億を投資できるMLBのからくり』(同、2006年)がある。中央大学商学部非常勤講師(スポーツマネジメント)。ブログ『スポーツビジネス from NY』も好評連載中。Twitterのアカウントはtomoyasuzuki

(写真 丸本 孝彦)



このコラムについて

鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」

「スポーツビジネス先進国」と言われる米国。その市場規模や人気などで日本を凌駕する。そこでは、日本にいては思いつきもしない先進経営が繰り広げられている。だが、進みすぎたが故の問題も内包する。米在住のスポーツマーケティングコンサルタントが、米国スポーツビジネスの現場を歩き、最新トレンドを解説していく。
果たして、米国は日本スポーツ界の「模範解答」となるのだろうか?

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