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「労働」の奴隷に成り下がった “私たち”の不幸

ワークライフバランスを実現していた「のれん分け」という知恵

2012年2月16日(木)

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 「心配なのはおカネですよね。平均寿命まで生きるとして、あと30年以上ある。年金は減る、役職定年で給料は減る。それだけならまだしも、役職定年して責任のある仕事もできなくなった時に、モチベーションを保ちながら働いていけるのか、って心配もあるし」

 深刻化してきた年金問題に、不安を抱く人が確実に増えてきた。もらえると思っていたおカネがもらえるかどうかあやふやになってきたからだ。年金について「100年安心」と政府がうたったのは、2004年に年金法を改正した時のこと。

 当時に与党だった自民党は、「100年安心の年金を構築」と大々的に書かれたパンフレットまで作り、当時の森英介厚生労働副大臣は、「給付水準の下限とした50%を上回る見通しとなっておりまして、以上をもちまして、100年後でも絶対大丈夫ということを申し上げます』と豪語した(2004年4月7日の衆議院厚生労働委員会)。

 あれからわずか8年、たった8年で、“100年安心”は見事に崩れ去ってしまったのだ。

年金問題に真剣に取り組まない政治家たちへの怒り

 おまけに大切な年金を預かる日本年金機構でも、お粗末なミスばかり。先日も、およそ7万2000人分の2月の年金支給額が、平均で2万3000円、総額で16億6700万円も少なかったことが明らかになった。

 その理由が、年金受給者から提出された書類の記入事項の入力漏れ、というのだからたまったもんじゃない。昨年の年末に年金受給者から返送された「2012年度の扶養親族の申告書」の入力を、同機構から受託していた業者が入力し忘れていたというのだけれど、大切な私たちのおカネを……、何を言っても言い訳にはならないでしょ。

 それ以上に頭にくるのが、政治家たちだ。まるで現行の制度が崩壊していないかのような態度を取り続ける野党にも納得できないし、民主党が渋々公表した試算結果だって「ふ~ん。これって本当に合ってるの?」と不安になる。

 誰がどう考えたって年金制度は破綻している、というのに、政治家たちはなぜ、もっと真剣に話し合わないのか。お願いだから、もっと真剣にマジメに、国民のことを考えてちゃんと話し合ってちょうだいよ。あ~、いったいどうなっているのだろうか。「国民のため」よりも「選挙のため」、「将来のため」よりも「今のため」に必死な政治家ばかりが目につくわけで。年金という制度を作る政治家も、その大切なおカネを預かる国の機関も全くもって信用できないのである。

 このままでいくと、「ウソ。そんなこと言ってなかったじゃん」というような、悲惨な話がこの先にきっと出てくるに違いない。うん、多分きっと。恐らくかなりの確率で。だって、「100年安心」と言っておきながら、たった8年で「ウソ」がバレた前例があるのだから、不信感しか湧いてこなくても仕方がないじゃないですか。

 で、年金とセットにあるのが定年に対する不安だ。

 どんなに「定年を65歳まで延長せよ」と政府が言ったところで、50代は冒頭の方のように具体的な不安を抱き、40代は漠然とした不安を抱きながらも思考停止に陥り、20代や30代は「どうせもらえないんだから、払わないよ」とソッポを向く。

コメント42件コメント/レビュー

定年についてですが、60歳または65歳というのはあくまで企業で働く場合の目安にすればよろしいかと思います。健康面の理由により早めに定年を迎えたほうが良い方、逆に70歳をこえても現役並みに仕事ができる方(特に経験がモノをいう場合)もいるはずですので、一律に線引きをするより55歳から70歳までといった幅をもたせるのも良いのではないのでしょうか?そして、定年を迎えてもお仕事が続けられる健康及び技能があれば、新たに起業してもらうことが出来れば(週に10時間程度のお仕事でも良いと思います)、日本の少子化による労働力の減少を補うことができ、また、コミュニケーションの増加により孤独死の現象にもつながるかと思います。個人的な感想ですが、若者における雇用・年金問題、老人における疎外感をすこしでも良くするために、国全体として自分・他人を含めた幸せを考えながら、こういった問題を乗り越えこえていけたらうれしいですね。(2012/02/22)

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「「労働」の奴隷に成り下がった “私たち”の不幸」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

定年についてですが、60歳または65歳というのはあくまで企業で働く場合の目安にすればよろしいかと思います。健康面の理由により早めに定年を迎えたほうが良い方、逆に70歳をこえても現役並みに仕事ができる方(特に経験がモノをいう場合)もいるはずですので、一律に線引きをするより55歳から70歳までといった幅をもたせるのも良いのではないのでしょうか?そして、定年を迎えてもお仕事が続けられる健康及び技能があれば、新たに起業してもらうことが出来れば(週に10時間程度のお仕事でも良いと思います)、日本の少子化による労働力の減少を補うことができ、また、コミュニケーションの増加により孤独死の現象にもつながるかと思います。個人的な感想ですが、若者における雇用・年金問題、老人における疎外感をすこしでも良くするために、国全体として自分・他人を含めた幸せを考えながら、こういった問題を乗り越えこえていけたらうれしいですね。(2012/02/22)

無駄に自分を縛るルールが増えた事も良くないのだと思う。最低賃金は労働の質と量を無視し過ぎている。労働者の為に指定されているが、賃金叩き競争の不当に安い賃金は問題になるかもしれないが、時間だけはかかるが片手間に出来るような楽な仕事なども縛っては、存在している仕事としての需要を潰すだけだ。その部分はボランティアとか無償でやらないといけないのか?派遣も本来はリースの様に短期で見れば割高となるべきが、派遣会社と雇い入れ会社にピンはねされているようなもの。多重下請け関係やお客様はモンスターのような何か相手に無理を推し付ける事や騙す事が偉い、正しい事の様に行われる所を直さないと働いて幸せになる人は極一部に限られるままではないだろうか(2012/02/22)

今、TVや新聞では、税金と年金の一体改革が叫ばれていますが、河合さんが指摘する通り、強制ではないにしても80歳程度まで本人が希望すれば働くことができる懐の深い世の中にしていく必要があると思います。人口減少と老齢化の波の中では、どんなに詭弁を弄しても、現在の年金制度を維持していくことが出来る筈がありません。政治家も正直にそれを認め、80歳まで就業可能な世の中と、健康を害して働けなった時には、それを受け止めてもらえるセーフティネットとしての年金制度を対にして考えるべきだと思います。定年を単純に延長するよりも、むしろ60歳以上の経験や知見、人生観などを生かした職業を確立できないものでしょうか? 例えば、学生バイトが高校生や大学生など、就職前の若年層のニーズを満たすように、60歳以上のスキルや経験を生かすような働き方のマッチングを提供するサービスがもっと発展し、60歳を過ぎても体力とやる気があれば、比較的簡単に次なる仕事が見つかるような世の中になれば、多くの国民が抱く不安も解消するのではないでしょうか? いろいろと考えさせられるとても良いコラムでした。(2012/02/21)

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