• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

震災から1年! 広まった「絆」の軽さと“私たち”の幸福感

自分の境界の内側に幸せの“種”を持つための条件

2012年2月23日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 東日本大震災後、「所得の低い人たちほど、幸福感や生活満足度が高くなった!」――。

 そんな一見すると矛盾しているように思える調査結果が明らかになった。

 慶応義塾大学が全国の約4000世帯を対象に「震災で日本人の心理や行動はどう変わったか?」を調べたところ、「低所得者の方たちほど、幸福感と生活満足度が増し、高所得者ほどその伸びが少ない」ことが示されたのである(出所はこちら

 さらに、この調査では震災で最も大きな被害を受けた東北地方の方々の幸福感についても、「そっか……」と少々驚く結果も明らかになっている。

 「震災前と震災後、幸福感に変化があったか?」との問いについて、全国平均では「高くなった」との回答が28%であったのに対し、東北3県(岩手、宮城、福島)では35%と、全国平均を10ポイント近く上回ったのである(ただし、この質問項目では、「低くなった」と回答した人は、全国平均で7%、東北3県では20%と、幸福感が低下した人の割合も高かった)。

 東日本大震災が起きてから、まもなく1年。「震災は日本人の価値観に、大きな変化をもたらした」「絆の大切さが見直された」などと、さんざん繰り返し言われてきたけれど、ホントに私たちは変わったのだろうか?

震災で日本人はホントに変わったのか?

 確かにあんなに大変なことがあったのに、「幸せ」と答える人が3割近くも増えたのだから、変わったと言えるのかもしれない。あまり変わることがないとされている、幸福感に大きな変化があったのだ。変わった。うん、確かに変わったのだろう。

 でも、なぜ、所得の低い人たちや、いまだに大変な思いをなさっている東北3県の方々の方が「幸せ」という回答が多いのか?

 私たちはいつの時代も、
 「どうしたら幸せになれるのか?」
 「どれだけおカネを稼いだら、幸せになれるのか?」
 「どういう働き方をしたら、幸せになれるのか?」
 といった問いを、まるで禅問答のように繰り返してきた。

 最近では、政府まで「幸福度」調査項目の作成に乗り出している。

 幸せって、何だっけ? 幸せって何なんだろう? 私たちは東日本大震災で、人との絆を、ホントに大切にするようになったのだろうか?

 最近のさまざまな出来事を見ていると、絆とか他人を思いやる気持ちが高まった、とは必ずしも言い切れない現実があるような気がして、仕方がない。

 そこで今回は、至極ストレートに、「幸福感」について考えてみようと思う。

コメント23件コメント/レビュー

今回の記事と同様に、今日3月5日の文化放送「くにまるジャパン」で河合薫さんが"善意の心のケア"について解説していたことが大変勉強になりました。相手の話を聞く環境を提供して、むやみに背負わずに、心の距離感を意識することなど。みんなに聞いてほしいな、とおもいポッドキャストがないかと探しても"深読みジャパン"のコーナーは配信してないようで、とても残念です。できたら、日経ビジネスで同様の内容を文章にしてもらえないでしょうか?(2012/03/05)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

一覧

「震災から1年! 広まった「絆」の軽さと“私たち”の幸福感」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

今回の記事と同様に、今日3月5日の文化放送「くにまるジャパン」で河合薫さんが"善意の心のケア"について解説していたことが大変勉強になりました。相手の話を聞く環境を提供して、むやみに背負わずに、心の距離感を意識することなど。みんなに聞いてほしいな、とおもいポッドキャストがないかと探しても"深読みジャパン"のコーナーは配信してないようで、とても残念です。できたら、日経ビジネスで同様の内容を文章にしてもらえないでしょうか?(2012/03/05)

東北の人達と言っても直接震災の被害にあった人達ばかりではないことを配慮して調査結果を見ないとダメでしょう。内陸の人達は地震で揺れはしたけど大きな被害を受けていないので、ある意味関東の人達と似た状況だと思います。△まあ、関東が東日本大震災では結構揺れたので、関東に拠点をおく報道機関が自分達の問題として報道しているが、特徴でしょう。阪神大震災のときとはそこが違います。日本人が影響をうけたのではなくて、関東の報道機関が影響を受けたのです。それを日本全体のように言っているわけです。私にとっては体験した阪神大震災の方がずっと大きな影響を受けていますよ。(2012/02/26)

幸せは、デパートのショーウィンドウで値札が付けられて売られてるものではないでしょう。幸せは、より新しいた商品を消費することでもないでしょう。ブランド物、高級外車、高級ワインなど、消費することと幸せとは同じという価値観とも違うでしょう。幸せは、常に未来にあって、現在の生活には決してないような生活目標のことを指しているわけでもないでしょう。・・・このように、それは明らかに”幸福”ではないという生活態度や誤った価値観を差し引いてゆくという「消去法」でなら、幸福度のスコアリング(数値化)は可能かとも思いますよ。人はみな幸福になる権利があるのですから、みな平等に人の幸福度の初期値を100とし、そこから誤った生活態度や、勘違いの価値観などさまざまな項目を差し引き、残った数値によってスコアリングをするというアプローチなら「幸福度」を数値化することも可能かもしれません。日本人は、消去法や比較によってのみしか判断ができないところもあります。もちろん河合さんが仰るように幸福度を数値化する試みは愚かなことです。でも、そうした試みによって”気づき”が得られるようならば、それなりに意味があることと思います。(2012/02/25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

テスラのような会社と一緒にできないのなら、パナソニックはイノベーションを起こせないだろう。

津賀 一宏 パナソニック社長