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再来店率が80%を超える理美容チェーン

作業を徹底的に標準化~オオクシ

2012年2月28日(火)

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 多くの人が定期的に利用する理美容室。理容業は床屋と呼ばれ、男性客が中心に訪れる。一方、美容業は美容室やビューティサロンなど、その呼ばれ方は様々であるが、女性を中心に利用する。理容業と美容業の法律上の分類は、利用している顧客の違いではなく、頭髪のカットや髭剃りを手掛けるが理容であり、パーマや化粧などのサービスを提供するのが美容である。総務省統計局の「家計調査」では美容業にエステやネールアートのサービスも含まれる、という。

 これからこの理美容業について紹介する。それらのサービスを提供する店舗は街の至る所にある。過疎化が進むどこの地方部にも昔からある店舗が今も営業している。誰もが日常的に繰り返し利用するサービスの一つであることから、消費者の需要は極めて安定している。しかしこの業界の数字を「家計調査」で見ていくと、想像を絶するほどの厳しい状況が見えてくる。

 全国にある理美容室数は35万軒を超える。全国至る所にあるように見えるコンビニの店舗数はそれに比べはるかに少なく約4.5万軒である。書籍店数はさらに少なく、約1.6万軒しかないという。つまり理美容室数はコンビニの約8倍、書籍店の20倍以上もあり、その数はまだ増え続けている。一方、多くのサービス業と違って理美容室に全国規模で多店舗展開できているところはほとんどない

 理美容サービスは理容師や美容師によって顧客に直接提供される。その作業工程の一部は機械化できるかもしれないが、基本的には労働集約的である。このため市場規模は約3兆円と巨大であるが、理容師や美容師の数も多く、その合計は約70万人に迫り、膨大な雇用の受け皿となっている。

 これらの数字を単純に計算すると、理美容室の商圏人口は約340人で、極小商圏の事業の一つと言える。各店舗で働くスタッフの平均人数は2人に満たない。市場規模から計算される1人当たりの売上は400万円をわずかに超える水準になり、多くの理美容師は低賃金で働いていることが容易に想像される。

 人口減少による需要収縮が全国規模で始まったことから、今後はこの業界も経営効率の向上を通じてこれまで以上の顧客満足を実現するサービス生産性革新が求められている。この典型的な労働集約型産業の理美容業界で顧客満足を効率的に実現する事業モデルを独自に編み出し、多店舗展開を始めたのが、千葉市に本社がある「オオクシ」だ。

職人の店からスタート

 オオクシの創業は1964年に遡る。社長の大串哲史氏の父親である一二氏が、オオクシの本社がある千葉県の稲毛に小さな店舗を開いた。5人の職人とともに小さな店舗を長く運営していたが、1982年に「有限会社ファミリーヘアサロン オオクシ」を設立した。現社長の哲史氏が1992年に店で働き始めた頃の売上はまだ3000万円程度であった。

 1997年に哲史氏が社長に就任した。社名を「有限会社オオクシ」に変更し、それまで準備してきた様々な経営改革に取り組み始めた。1999年に女性向けの顔そり専門店「ピュア」を開店した。2001年にフランチャイズ方式でヘアカラーを中心とするビューティービジネスの全国展開を目指し、共同出資して「株式会社ソライト」を設立、また同年パーマを手掛けない、カットとヘアカラーの専門店「HAIR COLOR FACTORY(ヘアーカラーファクトリー)」を稲毛に2店開店した。2002年にはカット専門店「Cut Only Club(カットオンリークラブ)」を開店した。

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「再来店率が80%を超える理美容チェーン」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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