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たばこで2020年五輪東京招致が失敗する?

CSRとスポンサーシップの利害相反

2012年3月29日(木)

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新協賛契約が五輪ボイコット騒ぎにまで発展

 米化学大手のダウ・ケミカル社は、2010年7月にオリンピックの最高位スポンサーであるTOP(The Olympic Partner)プログラムに加わりました。同社は国際オリンピック委員会(IOC)に10年間で約1億ドル(約80億円)の協賛料を支払う見返りに、ロンドン五輪を皮切りに、オリンピックの各競技場を取り囲む布製の装飾カバーを独占的に供給する契約などを手にしました。

 しかし、この協賛契約に大反対したオリンピック委員会がありました。インド五輪委員会です。実は同社は、1984年にインド中部のポバール地方で有毒ガス流出事故を起こした米ユニオン・カーバイド社を1999年に買収していました。子会社の殺虫剤工場が爆発し、大量の猛毒ガスが流出した事故では数万人が死亡し、今なお10万人以上が後遺症に苦しんでいると言われています。インド五輪委員会はダウ・ケミカル社のTOPスポンサー選定を疑問視し、インドとしてロンドン五輪のボイコットを検討する意向を示したのです。

 皮肉にも、ロンドン五輪は「持続可能な」「環境に優しい」を意味する“サステナブル”(Sustainable)を大会コンセプトとして掲げていました。同五輪では、そのコンセプトを独立した立場から監視する「ロンドン2012サステナブル委員会」(Commission for a Sustainable London 2012)を設立して話題となりましたが、その委員の一人はダウ・ケミカル社のスポンサー契約に抗議して辞任しました。大会のコンセプト自体に疑問符が掲げられる残念な結果となってしまったのです。

 結局、この一件を受けて英オリンピック委員会は、同社が提供する五輪スタジアムを覆う装飾カバーには五輪開催前も含めて企業名やロゴを一切表示しないことで手打ちとしました。

たばこで2020年五輪東京招致が失敗する?

 日本も、こうした事態を対岸の火事だと思っていられないかもしれません。昨年12月1日付のワシントン・タイムズ紙に「タバコ会社によるスポーツ協賛が日本のオリンピック招致に暗雲をもたらす」(原題:Tobacco sponsorship of sports could doom Japan’s Olympic bid)という記事が掲載されました(ワシントン・タイムズ紙はワシントンDCを中心に流通する地方紙で、有力紙ワシントン・ポストの7分の1程度の発行部数とされる)。

 ご存知のように、日本は2020年のオリンピックに向けて招致活動を展開していますが、記事は昨年11月に東京で開催されたバレーボールのワールドカップ大会を引き合いに出し、タバコ会社の協賛活動に寛容な日本の自治体やスポーツ界の土壌がオリンピック招致活動にマイナスの影響を与え得ると指摘しています。

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「たばこで2020年五輪東京招致が失敗する?」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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