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コンビニ超え、地域を救う自動販売機

顧客不在を脱し、新しい消費市場を作る~デリコム

2012年4月3日(火)

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 街の至る所に自動販売機がある。人通りがほとんどない田舎にも自動販売機がぽつんとあり、道路を照らしている。

 自動販売機と言えば清涼飲料やビール等を販売しているイメージが強い。一般社団法人日本自動販売機工業会のホームページによれば、やはり飲料の自販機が圧倒的に多い。その数は全国で25万台を超え、年間販売額も2兆円をはるかに超える規模である。これだけを見ると自動販売機は食品スーパーやコンビニエンスストアのような1つの流通チャネルと言ってもいい。

顧客目線のサービスに欠ける自動販売機

 飲料品を販売するイメージが強い自動販売機であるが、パンやアイスクリーム等の食料品を販売するものもある。タバコを販売する自動販売機も多い。それ以上に多いのが新聞や乾電池、玩具等を販売する自動販売機である。多くの人がそれを自動販売機であるとあまり意識しないのが、乗車券や食券を販売する券類自販機である。さらに両替やパチンコ玉の貸し出し、コインロッカーも、商品を販売しているわけではないが現金を投入してサービスの提供を受けることから自販機の1つであるという。

■自動販売機の普及台数と販売額(年間販売額の単位は千円)
  普及台数(A) 年間販売額(B) 1台当たりの年間
販売額(B/A)
飲料自販機
(清涼飲料、ビール等)
2,591,200 2,361,513,000 911,359
食品自販機
(パン、アイスクリーム等)
75,500 59,103,500 782,828
タバコ自販機 367,300 598,699,000 1,630,000
券類自販機
(乗車券、食券、入場券等)
40,900 1,902,800,000 46,523,227
その他自販機
(新聞、乾電池、玩具等)
876,950 381,116,500 434,593
自動サービス機
(両替機等)
1,255,000 115,335,000 91,900

出所:一般社団法人日本自動販売機工業会のホームページ

 自動販売機は生活の隅々まで入り込んでいる。しかし、そのサービスが基本的に機械によって提供されることから、実態を一般の消費者が知ることはなかなか難しい。

 飲料自販機は普及台数も販売額も膨大であるが、1台あたりの販売額は非常に小さい。単純に年間販売額を普及台数で割った飲料自販機1台あたりの平均売上は100万円に満たない。単純計算すると1日の平均売上は2500円になり、売れる商品数は10~20本程度である。食品自販機の1台当たりの平均販売額も飲料自販機を下回る。販売額が大きいのは券類自販機である。

 飲料自販機の多くは飲料メーカーによって運営されている。そのような自動販売機には、飲料メーカーの名前やロゴが大きく印刷され、そのメーカーの商品しか販売しない。

 自動販売機の市場規模が5兆円を超えるにもかかわらず、消費者から重要な流通チャネルとして認識されないのはいくつかの理由がある。そもそも自動販売機を運営している事業者自身が、商品やサービスを販売する重要なチャネルと考えていないと感じられる。飲料メーカー系の自動販売機について言えば、熾烈なシェア競争の中で自社商品を売るための販路と位置付けているのだろう。

 だから多くの自動販売機は、消費者が求める商品ではなく、飲料メーカーが売りたい商品を並べている。そのため、客の顔を見なくなる。誰かの役に立っているとも実感できない。そうした中では、企業に求められるのはコストダウンだけになる。各メーカーは消費者ではなく競合メーカーを見てしまい、顧客目線のサービスや商品戦略が十分に確立できていないところに大きな課題がある。

 そうした中、自動販売機の新たな可能性を切り開こうとしているのが、東北地方を中心に自動販売機を運営するデリコムだ。同社は飲料メーカーの系列に属さない、独立系の自動販売機オペレーターである。東北を地盤としていることから、東日本大震災で大きな被害を受けた。

津波の被害を受けた自動販売機
地震で被災したデリコムの物流倉庫

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「コンビニ超え、地域を救う自動販売機」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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