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黒板も時間割もない学習塾

教えるのは勉強の中身でなく「勉強の仕方」~GLS予備校

2012年4月10日(火)

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 これまでこのコラムで紹介してきたサービス産業のどの業種も、人口減少による需要収縮の影響が直撃している。これはサービス業が客商売であり、代金を支払う客の数が減っているからにほかならない。

 高齢化が進む前は少子化が先行することから、とりわけ14才までの年少人口の減少が著しい。年少人口は当然のことながら、大半が学校に通う子供たちで構成されており、その減少が教育産業に大きな影響を与えることは容易に想像できる。

 教育産業は幅広い。学習塾や予備校、専門学校、語学学校等だけでなく、料理教室やカルチャースクール、通信教育会社も含まれる。中でも、特に年少人口激減の影響を受けていると考えられるのが学習塾である。

 ところが、経済産業省が実施している特定サービス産業動態統計調査によると、人口減少に相反してその市場規模は増加している。人口1人当たりの支出額は増加しており、一見すると学習塾が成長産業のようにも思える。

 一方で、売り上げの増加以上に増えているのが学習塾数と講師数である。そのため、塾当たりの売上は市場全体の売り上げの動向と減少し続けている。また、講師1人当たりの売り上げも右肩下がりになっている。これは学習塾が、経済環境がより厳しいほかの業種の雇用の受け皿になっていることを意味している。しかし、市場規模の拡大以上に新規参入が続けば、ほかのサービス産業が直面しているように、学習塾も激しい低価格競争に襲われることは容易に想像することができる。

 今回紹介するのは、激しい競争が繰り広げられているこの業界において、これまでにない指導方法で支持を集め、教育界の改革まで目指しているGLS予備校(東京都目黒区)である。

教育改革を実現するために学習塾を開く

 GLS予備校は2005年、原田将孝塾長がまだ大学4年の時に開校した新しい学習塾である。教室は東京都目黒区に1つしかない。そこに中学生と高校生・浪人生が学び、高校受験と大学受験のために日夜、勉強に励んでいる。

 原田塾長は自らの体験を通じて教育分野に多くの問題があると感じていた。何か新しい方法論が必要だと学生時代から考え、一時期は文部科学省で働くことや、学校や予備校に就職することも考えた。しかし文部科学省は現場から遠く、学校や予備校は組織が大きい。特に学校には様々な制約があり、制度などの改革が難しいと感じていた。一方、学習塾には部活動や生活指導がない。教えることだけに専念でき、教育分野で一番制約が少ないことから「GLS予備校」を自ら開校。民間の立場で教育改革に取り組み始めた。

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「黒板も時間割もない学習塾」の著者

内藤 耕

内藤 耕(ないとう・こう)

サービス産業革新推進機構代表理事

世界銀行グループ、独立行政法人産業技術総合研究所サービス工学研究センターを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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