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エコノミストは工学的に「福島原発」を究明する

経済学者・齊籐誠さんに聞く「原発事故」【その1】

2012年4月17日(火)

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 2011年3月11日の東日本大震災から1年が過ぎた。震災そのものさることながら、津波による東北沿岸部の甚大なる被害、そして東京電力福島原子力発電所の事故による様々な被害が、解決の先行きを見えなくしている。昨年、震災直後の3月15日、日経ビジネスオンラインで対談をした齊藤先生は『原発危機の経済学』(日本評論社)を出版された。文系の学者、という立場、つまり原子力発電という理系分野においては素人の立場から、原発の仕組みをゼロから調べ上げ、今回の東京電力福島原子力発電所事故につながる日本の原発産業の構造問題をひもといていく。実に読み応えがある1冊。原発素人だった先生の調査活動をお伺いしながら、復興と原発事故、そして報道と学問について考えていく。今回は原発事故について考えていく。

(構成:日経ビジネス編集)

放射能の情報であっても、なぜか出てこない、原発事故の工学情報

池上:昨年、齊藤先生が著した『原発危機の経済学』を読みました。

 文系の学者、という立場、つまり原子力発電という理系分野においては素人の立場から、原発の仕組みをゼロから調べ上げ、今回の東京電力福島原子力発電所事故につながる日本の原発産業の構造問題をひもといていく。実に読みごたえがありました。こちらも素人ですから、知識ゼロのところから、原子力発電という巨大な存在の仕組みを一緒に学んでいける。その方法論自体が「文系」というよりは、むしろ「理系」的に思えたのですが…。

齊藤 誠(さいとう・まこと)
一橋大学大学院経済学研究科教授1960年生まれ。83年京都大学経済学部卒業。92年マサチューセッツ工科大学経済学部博士課程修了、Ph.D.取得。住友信託銀行調査部、ブリティッシュコロンビア大学経済学部などを経て、2001年4月から現職。2007年に日本経済学会・石川賞、2010年に全国銀行学術研究振興財団・財団賞受賞。主な著書に『原発危機の経済学』(日本評論社)『金融技術の考え方・使い方』(有斐閣、日経・経済図書文化賞)、『資産価格とマクロ経済』(日本経済新聞出版社、毎日新聞社エコノミスト賞)、『競争の作法』(ちくま新書)。
(写真:丸毛 透)

齊藤:実は高校生のころまでは理系志望だったんです。技術者か医者になりたいな、と思っていた時期もありました。結局、経済学の世界に進んだのですが、理系的な考え方には、とてもシンパシーを持っていました。

池上:ああ、そういうことでしたか。疑問が1つ解けました。それにしても、原発事故からわずか数カ月で、原子力発電に関する問題を分析し、経済学的な視点から未来への解を出してみようと書籍を出すまでの、齊藤先生のエネルギーはどこから生まれたのでしょう?

齊藤:昨年3月に東京電力福島原子力発電所事故が起きてから、多くの専門家がツイッターやウェブマガジンなどを舞台に、原子力に関する様々な情報を自発的に発信されました。

池上:インターネットやSNSが日本でもメディアとして表舞台に出てきた、と多くの人が実感した瞬間でもあります。

齊藤:私もツイッターのタイムラインを流れる専門家の方々の原発事故に対する分析や、原子力の安全性、身体への影響などの情報を追っかけていました。でも、そのうち、「おや?」と思ったんですね。本当に知りたい情報が、流れてこないぞ、と。

池上:どんな情報ですか?

齊藤:ウェブ上で流れてくる「原子力関係の専門家」の大半が物理学者。つまり、理系でも理学部系の方々だったんです。科学としての原子力についての専門家です。だから解説も原子力に関する原理論が中心となる。ウラン235がどうやって核分裂していくのか、238がプルトニウム239になるとは、どういうことか――、というような。

池上:確かにそうでした。あとは人体の影響に関する、医学関係者の情報が目立ちました。

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「エコノミストは工学的に「福島原発」を究明する」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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