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寺田寅彦とソクラテス(上)

あれから1年、正しく怖がる放射能【5】

2012年5月1日(火)

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 先日、ツイッター上で「3.11以降意味のない言葉をたくさん見るようになった。例えば『正しく怖がる』なんてまったく意味不明」というような書き込みを目にしました。僕はこの言葉を非常に明確な意味で使って、東日本大震災の直後から「常識の源流探訪」にも連載を書いてきましたので、それはちょっと違うかもしれないですよ、とコメントを返したのですが、そのあたりからお話してみましょう。

「正しく怖がる」の原点確認

 「正しく怖がる」という最初に表現を使ったのは、僕の知る限り、物理学者で文学者でもある寺田寅彦だと思います。

 昭和10(1935)年8月、浅間山が噴火しました。当時、東大物理学科と同地震研究所の教授を兼務していた寅彦は、活火山の爆発を過剰に怖がるのも愚かしいし、安易に軽視するのも危険なことだ、過不足なく「正しく怖がる」のが大切だ、と説きました。

 この寅彦の表現どおり、地震にしても、津波にしても、原発事故やそれに伴って放出された放射性物質に関しても、過剰に怖がるのは愚かしいし、安易に軽視するのも危険極まりなく、過不足なく「正しく怖がる」のが大切だ、と僕も考えます。寺田寅彦のような偉大な人にはとても及びませんが、僕も同じ学科で物理学を学んだ後輩で、科学を修めた上で芸術の仕事に就き、やはり同じ大学で教鞭をとっています。彼の言葉の端々、とくに身近な小さなことに共感することが多く、この「正しく怖がる」という表現も、3月11日の災害、事故の直後から、ツイッターなどインターネット上で積極的に使うようにしてきました。

 ここでもう一つ重要なことは、寺田寅彦がこの「正しく怖がる」を「専門家」向けではなく、雑誌「文學」を通じてごくごく普通の人々、市民の災害心得として、社会に発表しているという事実です。

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