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北朝鮮、“ミサイル”失敗でもなぜ核実験?

日本経済新聞社編集委員 鈴置高史さんに聞く朝鮮半島情勢【番外編その1】

2012年5月9日(水)

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2012年は朝鮮半島を巡る情勢が急変することになりそうだ。韓国は大統領選を控え、与野党ともに左傾化傾向が強まっている。そして、北朝鮮は政権を握ったばかりの金正恩第1書記の下、ミサイルの発射に踏み切り、さらには核実験の実行までも懸念されている。米国や中国などの大国の論理に翻弄されてきたこの2国はこれからどう動くのか。日経ビジネスオンラインで「先読み 深読み 朝鮮半島」を連載中の、日本経済新聞編集委員、鈴置高史さんに聞いた。

池上:2012年3月16日、北朝鮮は突然、人工衛星をロケットで発射する計画を発表し、4月13日に発射。結果は周知の通り、打ち上げ後まもなく空中で分解し、同日中に北朝鮮政府自ら打ち上げの失敗を認める声明を発表しました。

池上 彰(いけがみ・あきら)
ジャーナリスト1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。社会部記者として経験を積んだ後、報道局記者主幹に。94年4月から11年間「週刊こどもニュース」のお父さん役として、様々なニュースを解説して人気に。2005年3月NHKを退局、フリージャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍など幅広いメディアで活躍中。主な著書に『伝える力』(PHPビジネス新書)、『知らないと恥をかく世界の大問題』(角川SSC新書)、『そうだったのか! 現代史』(集英社)など多数。
(写真:丸毛 透、以下同)

 北朝鮮側は今回打ち上げる衛星は地球観測衛星であり、「我々の人民のため、農業の研究のために必要なのだ」と主張していましたが、当初よりこれがかつて打ち上げられたテポドン同様のミサイルであることは明白でした。国際世論も非難の声を上げましたが、北朝鮮は発射を強行しましたね。結果は失敗に終わったわけですが。

鈴置:衛星発射のためのロケットも、弾道ミサイルも技術的には同じです。だから国連も、核実験を2度も敢行した北朝鮮に対し「弾道ミサイル」のみならず「人工衛星を搭載したロケット」の発射も禁じているのです。

 日本のメディアは「人工衛星打ち上げと称する長距離弾道ミサイル発射」などと表現しています。一方、韓国メディアは「衛星ロケット発射」と呼ぶことが多いのです。「衛星ロケット」と主張する北朝鮮に気を使っているのでしょう。

池上:長年、北朝鮮について取材を続けてきた鈴置さんに、まず最も根本的なことをお聞きします。北朝鮮は、「なぜ」そして「いま」、人工衛星と称してミサイルを打ち上げる必要があったのでしょうか? 昨年12月17日に金正日が亡くなり、息子の金正恩に権力の座が委譲されたばかりです。そもそもこの計画はいつから用意されていたんでしょうか?

ミサイル発射は北朝鮮にとって、失敗しても大成功

鈴置:2012年は、金王朝の初代指導者である金日成の生誕100年に当たります。国際的に注目を集めるために「何か」やりたいという発想は、2代目である金正日の生前時からあったと思います。一方、国内的にも何らかのイベントが必要でした。金正日は100周年をメドに「強盛大国」、つまり軍事的に強くて経済的にも豊かな国をつくると国民に約束していたのですが、経済再建には失敗したままです。せめて軍事的な成果を見せないと格好が付きません。そこで、ミサイル打ち上げに白羽の矢が立ったのでしょう。2012年にミサイル発射、というのは金正日時代からの既定路線だったと思われます。

池上:金正日が亡くなる直前に、北朝鮮はミサイル発射をアメリカに通告していたという説がありますね。そのまま金正日は死んでしまったので、「ミサイル発射」が遺訓となり、北朝鮮政府としては守らざるを得なくなってしまった。止められるのは、亡くなった金正日当人だけで、後継者の金正恩には無理です。

 さて、そこで気になるのが、今回のミサイル発射によって、いったい誰が得をするのかです。

鈴置:もちろん北朝鮮自身です。実験が成功しようが失敗しようが“やり得”です。今回は失敗しましたが、それでも北朝鮮は一定の成果を収めた、と思っているでしょう。

池上:打ち上げに失敗したのに、得をしたのですか?

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「北朝鮮、“ミサイル”失敗でもなぜ核実験?」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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