• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

日本人に必要なのは、「分析力」と「職人技」

サービス業の生産性向上が賃金増のカギ

  • 遊喜 一洋

バックナンバー

2012年6月7日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 国際競争の激化や円高により、製造業を中心に生産・開発拠点の海外への移転(オフショアリング)が、これまで以上に多くの業種や高度な業務の間で広がっている。他方、企業業績や新卒採用人数でいうと、広義のサービス業の存在感が増している。サービス化が進む日本経済の雇用と賃金について考えてみたい。

 モノ作りの経済における重要性の低下は周知のとおり長期的な傾向だ。図1は1970年以降の付加価値ベースの産業構成の変化を表している。製造業など第二次産業のGDP(国内総生産)に占めるシェアは70年の43.1%から2010年には25.2%へ低下している。第一次産業のシェアは5.9%からわずか1.2%に落ち込んでいる。他方、卸売・小売、金融・保険・不動産以外のサービス業のシェアは25.1%から43.3%へ大きく上昇している。

図1:製造業など第二次産業のシェア低下が続く
出所:内閣府「国民経済計算」

 次に雇用面での変化を見てみよう。産業内に多様な職種が存在することから、産業ではなく職種構成のデータを用いる(図2)。モノづくりに直接携わる生産職(一次産業従事者や建設作業者を含む)のシェアが1970年の56%から2010年には33.5%へ大きく低下し、専門・技術職とサービス職(介護職員、警備員、飲食関係など)のシェアがそれぞれ5.8%と7.6%から15.8%と13.1%へ大きく上昇している。

図2:生産職のシェアは3分の1に低下した
出所:厚生労働省
*専門・技術職は労働力調査における「専門的・技術的職業従事者」、経営管理職は「管理的職業従事者」、事務・販売職は「事務従事者」と「販売従事者」の合計、生産職は「農林漁業作業者」、「製造・制作・機械運転及び建設作業者」、「運輸・通信従事者」、「採掘作業者」、「労務作業者」の合計、サービス職は「保安職業,サービス職業従事者」。

 細かい職種ごとの情報が得られる国勢調査によれば、オフショアリングの影響が懸念される技術者についても、内需の影響の強い土木・建築で近年シェアが大きく低下していることを除けば、依然として上昇傾向にある。

雇用変化の要因はIT化などの技術進歩

 このような変化は日本だけでなく先進国に共通したものだ。要因としてはオフショアリングの活発化、国内需要のモノからサービスへのシフト、高齢化に伴う需要のシフトなども挙げられるだろうが、本稿ではこれら同様に重要で、しかも影響が長期にわたると予想されるIT(情報技術)化などの技術進歩に注目する。

 依拠するのは米マサチューセッツ工科大学(MIT)のデビッド・オーター氏とフランク・レヴィ氏、米ハーバード大学のリチャード・マーネイン氏が2003年に発表した論文で提示したいわゆる「定型化仮説」だ。この仮説は、技術進歩による機械化、特にIT化のタスク・職への影響を考察したものである。

コメント3件コメント/レビュー

『サービス業は伸びている』と安心してはいけない。サービスの一つである『顧客サービスセンター』ですらコストを下げる為に中国等のアジアの国々に移されている。彼等は日本語(あやしいレベルも見かけるが)で対応する。持ち込まれた問題が技術的な事であっても、最初はこれらの国外のサービスセンターが受け持ち、難易度が高くて解決出来ない場合だけ日本に少人数残された高スキルのスタッフに回される。契約書等も手書きで作成されたものがシステムに打ち込まれるが、それらの作業も海外に出している会社は少なくない。その意味で、サービス業にしたところで高い技術力や知識を持っていないと国内で良い職は得られない。IT技術も然り。 多くのプログラム開発はインドや中国に下請けに出されていて、国内でプログラム開発が空洞化するのでは無いかと心配になる。『これからはサービス』を否定はしないが、現在の超円高基調が続けばサービス業すら国内でやって行けなくなってしまう。ギリシャだ、スペインだと弱点(あら)を探しては為替の大幅な変動を起こしている張本人は稼ぎ場所が少なくなった国際資本に違いない。彼等は資本主義の弱点を利用して、値段の上下に関係なく動けば儲ける事が出来る。結果的に格付け会社と結託してネタを探しては大きな金を動かしている。 その度に日本円は『利用』されている。 21世紀の世界経済の秩序を考えると、国をも破綻させてしまう国際資本の動きに規制を掛ける事は必然と思うのだが、何故か誰も言い出さない。(2012/06/07)

「「気鋭の論点」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

『サービス業は伸びている』と安心してはいけない。サービスの一つである『顧客サービスセンター』ですらコストを下げる為に中国等のアジアの国々に移されている。彼等は日本語(あやしいレベルも見かけるが)で対応する。持ち込まれた問題が技術的な事であっても、最初はこれらの国外のサービスセンターが受け持ち、難易度が高くて解決出来ない場合だけ日本に少人数残された高スキルのスタッフに回される。契約書等も手書きで作成されたものがシステムに打ち込まれるが、それらの作業も海外に出している会社は少なくない。その意味で、サービス業にしたところで高い技術力や知識を持っていないと国内で良い職は得られない。IT技術も然り。 多くのプログラム開発はインドや中国に下請けに出されていて、国内でプログラム開発が空洞化するのでは無いかと心配になる。『これからはサービス』を否定はしないが、現在の超円高基調が続けばサービス業すら国内でやって行けなくなってしまう。ギリシャだ、スペインだと弱点(あら)を探しては為替の大幅な変動を起こしている張本人は稼ぎ場所が少なくなった国際資本に違いない。彼等は資本主義の弱点を利用して、値段の上下に関係なく動けば儲ける事が出来る。結果的に格付け会社と結託してネタを探しては大きな金を動かしている。 その度に日本円は『利用』されている。 21世紀の世界経済の秩序を考えると、国をも破綻させてしまう国際資本の動きに規制を掛ける事は必然と思うのだが、何故か誰も言い出さない。(2012/06/07)

世界は大学院レベルの知識競争なのに、日本では大学院生の企業採用を煙たがる。企業の採用がスキルや知識によらず、相変わらず忠誠心によるからだろう。かつて、海外留学生は生意気との理由などで企業は採用を毛嫌いした。組織の忠誠心秩序を乱すからだ。しかし、今や積極的に採用しようとしている。周回遅れで院生の重要さに気づくのだろう。その時は既に遅しという世界状況なのだろう。そして、日系企業においても、外国人マネージメントの下、日本人は安い単純労働者に成り果てそうな気がする。(2012/06/07)

日本人は元来「コモノ作り」にすぎない。ヨーロッパの雄「オランダ」は国土は九州ぐらい、人口は東京都をすこししのぐ程度。しかし「ものづくり」では日本をはるかに凌駕している。日本が戦国時代だった以前から、風力で国土を灌漑し、船団を組んで世界を支配していた。根本的に優れているのは「怠け者の日本人」に対して「オランダ人は生まれてくるとき、すでにシャツの腕をまくっている」といわれている。(2012/06/07)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授