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複数の「専門家」の意見が異なるマトモな理由

あれから1年、正しく怖がる放射能【10】

2012年6月5日(火)

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  前回「インフォームドコンセント」の例を引いてお話しましたので、今回も医療のトピックで始めてみましょう。

 いま、自分が、あるいは家族の誰かがお医者にかかったとします。検査を受けた。その結果、やや面倒な病気に罹っているらしいことがわかったとしましょう。あまり嬉しい想像ではありませんが、誰しもいつか、ありうることです。そこで

医者「どうやら、重大な疾患の疑いがありますね・・・」
患者「・・・・・・・・」
医者「ところで、人間は健康な身体が良いのであって、病気は適切な体調とはいえません」
患者「・・・・・・・・はぁ・・・」
医者「そんな不適切な身体は、やめちゃったらどうですか」

なんて事をいう医者は、まあ、ありえないわけですが、仮にいたとしたら・・・驚きますよね。というか、むしろこちらとしいては怒ってしまうかもしれない。ここで

患者「あなた、人をマジメに治療するつもりがあるんですか?」
医者「不適切な状態ですから、治療なんかあきらめたほうがいいんじゃないですか」

なんていわれたら、そんな医者はどっかで頭のネジが飛んでいる、と判断がつきます。ところが、これに類似した状況が、他のケースではいろいろ目につくんですね。

 今日は、一見するととんでもなく見えることもある「専門家の意見」に振り回されるのはバカバカしい、というお話をしましょう。ただし「マトモな専門家」のお話で、「不安ビジネス」などの営利のためにマスコミから害毒を撒き散らす、今日日は見なくもない問題外の人のお話ではありません。いま変な例から入りましたが、実は科学に関連する情報を受け取る上で基本中の基本の、真の王道をご伝授しようというのが、ここでの目論見です。

あい反する「専門家の意見」はこう読め!

 具体例でお話したほうが分かりやすいでしょう。

 かれこれ2カ月近く前になりますが3月27日に公開したこのシリーズ第3回「なぜ津波で洗われる地域に家を作ったのか?」のケースでお話しましょう。

 まずこの回の内容を簡単におさらいしておきます。今回の東日本大震災で、とりわけ津波で甚大な被害を受けた地域の中には、古くは貝塚が出来たような石器時代、あるいは古墳時代、奈良平安の昔から「海辺の田んぼ」として、稲作は許されていたけれど、決して人間が住んではいけない、とされていた地域(「沖積低地」)が多かった、というお話をしました。この回では陸前高田のケースをご紹介しましたが、実は日本全国の海岸沿い、あるいは湖や大規模河川に面する地域のどこにでも当てはまる、非常に普遍的な話題を、東京大学理学部・地球惑星物理学教室教授の茅根創先生のご研究に沿って紹介させて頂きました。

コメント4件コメント/レビュー

明快な話です。セシウムが検出されたから全員避難命令は、政治的には正しいのか知れませんが、工学的には50年後のガン確率が0,05%上昇ならば、60歳以上は本人の選択に任せるのが妥当でしょう。地震被害の無い住宅に住む老人に、先祖伝来の力の撤去を命じるのは、民主主義ではないような感じです。〔ストレスで死ぬ確率は必ず増大すると言う研究結果は海外で出ています)不幸にして当たっているようです。(2012/06/05)

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明快な話です。セシウムが検出されたから全員避難命令は、政治的には正しいのか知れませんが、工学的には50年後のガン確率が0,05%上昇ならば、60歳以上は本人の選択に任せるのが妥当でしょう。地震被害の無い住宅に住む老人に、先祖伝来の力の撤去を命じるのは、民主主義ではないような感じです。〔ストレスで死ぬ確率は必ず増大すると言う研究結果は海外で出ています)不幸にして当たっているようです。(2012/06/05)

理学と工学の違いについての指摘は、一括りに理工学といわれ、あるいは、(工学寄りの)科学技術といわれることがあることから、非常に重要な注意である。さらに、研究姿勢としての違い、つまり、理学は現象の第一発見者をめざし、また、現象理解は原則面で十分なのに対し、工学は現象の利用を優先させるので、制御可能性や再現性の確認に重点が置かれるということは、補足が許されるのではないか。極端な対比を試みれば、理学は感性で遂行されるが、工学は理性を欠いては実現できないというべきか(もちろん、何を目指すか、ということの根底には、感性があり、情緒があり、他方、合理的な原理追求には理性があり論理があるわけだが、実際の作業が何に牽引されるのかということのつもりである。たとえば、理学では数学は二義的だが、工学は数学なしには成立しない。)。(2012/06/05)

問題の立て方、敷衍の仕方がおかしくないですか?言いたいことは分からなくはないけれど、「状況を分析するにここは津波が来る危険性があるから住むべきでない」に対し「現実にそこに住まざるを得ない人がいるからどうするか考える」というのは、原因を回避すべき、というのに対し、回避出来ない事情があるならどうするか、という次善の策の話です。「もう病気だから無理ですね」と「こうすればここまでは生きられます」というのは、次善の策の話ではあるけれど、前段の思考が違う。前段は「どうすれば病気になるのを避けられるか」という議論であるべきでは。(2012/06/05)

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夢の実現にあたっては強く「念ずる」。そうした心構えを支えにビジネスの世界の荒波を渡ってきました。

後藤 忠治 セントラルスポーツ会長