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「日本の大学に、『教養』を取り戻そう」

特別講座 桑子敏雄×上田紀行×池上彰 第1部

2012年6月11日(月)

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 5月10日木曜、関東地方を突風と豪雨が襲う中、東京・目黒にある東京工業大学で、同学のリベラルアーツセンター設置記念講演「現代における“教養”とは」が開催されました。リベラルアーツ、すなわち教養をテーマに語るのは、センター長の桑子敏雄教授、上田紀行教授、そして、池上彰教授です。池上教授のコーディネートで、さあ「教養のススメ」を、どうぞ。

(まとめ 片瀬 京子)

池上:今日は突風と雨にもかかわらず、たくさんの方にお集まりいただきまして、と言いたいところですが、天候のせいでちょっと出足が悪いようですね(笑)。改めまして、お越し下さってありがとうございます。この模様はニコニコ生放送でも中継されています。後ほどお答えする時間を設けていますから、ぜひ、ニコ生をご覧の皆さん、質問をお寄せください。

 さてこのリベラルアーツセンターは、私たち3人だけの小さな所帯でスタートしました。日々、いろいろな仕事を押しつけ合っています(笑)。お2人に学問ではまったく及びませんので、せめて司会役は、というわけで、私が進行役を務めます。「現代における“教養”とは」を、ぜひみなさんと一緒に考えていきたいと思います。

 では、センター長の桑子先生、第一声をどうぞ。

桑子 敏雄(くわこ・としお)
哲学者。東京工業大学大学院教授、同リベラルアーツセンター長。博士(文学)。1951年群馬県生まれ、75年東京大学文学部哲学科卒業、同大学院人文科学研究科哲学専修課程、博士課程修了。南山大学助教授などを経て東工大へ。2012年4月よりリベラルアーツセンターを率い、東工大生の「教養」力向上に務める。著書に『西行の風景』『感性の哲学』(日本放送出版協会)、『風景のなかの環境哲学』(東京大学出版会)、『空間の履歴』(東信堂)など多数。(写真:丸毛 透、以下同)

桑子:リベラルアーツセンター長の桑子です。リベラルアーツセンターは2011年1月に設置し、準備を重ねて来ました。このたび、池上先生、上田先生に着任いただき、この4月から本格的に始動し、東工大の学生たちに文系の学問を教えています。

 このセンターの役割の2つあります。1つは、東工大の学生たちに文系科目を提供すること。もう1つは、これからの「教養教育」とはどうあるべきかを考えることです。理工系学生の持つべき教養とは何か、そしてもっと広く、これから社会を背負っていく、若い人たちにとっての教養とは何かについても、どんどん提案をしていきたいと思っています。

池上:次に、東工大の伊賀健一学長からの挨拶をお聞きしましょう。持ち時間は3分間です。さきほど学長は、時間は守るとおっしゃっていましたが、さて、どうでしょうか(笑)。学長、お願いいたします。


教養とは、羊の群れに混じったわがままなヤギである

伊賀:ようこそ、リベラルアーツセンターへ。リベラル=自由ということで、私の挨拶の時間も、少しリベラルに延びるかもしれません(笑)。

伊賀 健一(いが・けんいち)
東京工業大学長。工学博士。63年東工大卒、同大学院博士修了、68年精密工学研究所助手、73年同助教授、84年同教授、95年同所長、01年日本学術振興会理事。2007年より現職。面発光レーザの発明と微小光学の研究。紫綬褒章、朝日賞、藤原賞、IEEEダニエル E. ノーブル賞、ランク賞、C&C賞、NHK放送文化賞ほか。趣味はコントラバス。

 かつて東工大には和田小六という学長がいました。その和田さんは、戦後まもなく、大学教育を一変させる改革を行いました。今でもそうですが、日本の大学の多くでは1、2年生で教養課程を学び、3、4年生で専門課程を学びます。でも、和田さんは教養課程と専門課程を4年間混ぜました。1年生でも専門を学ぶし、4年生でも教養を学ぶ、というカリキュラムにしたのです。学年が上がるごとに教養科目を減らし、専門科目を増やすといういわゆる「くさび型」教育です。

 あまりに斬新すぎる仕組みで、一時期はトーンダウンしましたが、現在、日本の大学教育では、この和田さんの方式を取り入れる方向に進んでいます。東工大は、新しい教養教育のかたちを先駆けて採用していたと言えます。

 もともと、東工大は「教養」については名教授が何人もおりました。私が東工大の学生だった頃の教授陣にも、永井道雄(教育社会学者)、KJ法の始祖である川喜田二郎(社会人類学者)、宮城音弥(心理学者)、江藤淳(文学者)といった方々がいて、教養を重視してきた学校であったと思っています。

 さて、教養とはなんでしょう。
 私は、教養とは知識と本質である、と考えています。

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「「日本の大学に、『教養』を取り戻そう」」の著者

池上 彰

池上 彰(いけがみ・あきら)

ジャーナリスト

1950年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。報道局主幹を経て、2005年3月よりフリージャーナリストとして活躍中。2012年4月から東京工業大学で東工大生に「教養」を教えている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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