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国家戦略としての韓流

韓流を考える

  • 吉田 耕作

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2012年6月20日(水)

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 韓国政府は、1997年にアジア通貨危機により韓国経済が破綻すると、民間と協力し、国を挙げコンテンツ産業振興策をとった。それが具体的な形で、日本で始めて大きな反響を呼び韓流として認識されたのは、2003年4月からNHKBS2で放映された『冬のソナタ』である。それは日本の古き良き時代を反映したような純愛ドラマであり、日本の女性、特に中高年の女性の心をとらえた。これを皮切りとして、数多くの韓国ドラマをはじめとして、韓国の文化芸能情報が韓流として日本に雪崩を打つごとく入ってきたのである。

 その後、韓国通貨ウオンの低下に伴い、低価格で購入できる韓流コンテンツが更に大量に輸入された。中には、韓国時代劇の『宮廷女官チャングムの誓い』のように、女性だけではなく、男性にも広くファンが広がったものもあった。2000年代の10年間には何回かの山や谷があったが、総合的に言ってかなり大きな文化的、経済的なインパクトがあった。
 韓流ブームは日本だけに限らず、アジアや欧州の各地で生じた。外国人や海外居住の韓国人を対象にする、韓国政府による韓国語能力試験(TOPIK)の受験者数が、2005年には約23000人であったのが、2009年には17万人に大幅に増加した。これもアジア、欧州における韓流ブームの影響が一役買っていると思われる。

 ここで私が注目したいのは、この韓流の流行が韓国政府の非常に高等な国家戦略として作り出されたという点である。前述のアジア通貨危機による韓国経済の破綻を経験した韓国が、官民挙げて国家総力を結集して、コンテンツ産業の輸出をその一つの大きな分野として取り上げたのだ。これは賞賛に値する国家戦略である。
 韓国コンテンツ振興院がコンテンツの制作から、宣伝、輸出に多額の資金を投入し、海外の市場、特に日本の市場を徹底的に調査し、感覚的に影響を強く与えやすい若年層、しかも女性を中心のターゲットとして焦点をあわせた。そして、韓国社会に当たり前のように受け入れられている美容整形を施したと思われる殆ど完璧に近い美男、美女を大量に用い、若年から中高年に至るまでの多年層にわたる日本人の、韓国に対するイメージを格段に引き上げた。特に強い影響を受けたのは、消費の決定権を持ち、子供の教育などで将来にわたり影響力を持つ若い女性である。これはマーケテイングの教科書に乗せたいほどの巧妙かつ壮大な戦略であり、大成功を収めたと言ってよいだろう。

 一般的に言えば、今までの歴史的な両国間の関係の影響もあり、日本人の韓国や韓国人に対する偏見によって、韓国の製品や工業製品に関しては、それが電気製品だろうが自動車だろうが、二流品として日本の市場に浸透してくることにはかなりの困難があった。上記の韓流は、そういう日本人の韓国及び韓国人に対する偏見をかなりの短期間に急変させるという役割を果たし、長期的な日韓貿易の面で、最も効果的に、韓国製品の日本市場への大量進出の露払いとして機能したという事ができる。

朝鮮の近代史

 私は上記に「今までの歴史的な両国の関係の影響もあり」と書いたが、日本人の歴史教育の欠陥もあり、近現代史における韓国と日本の関係はどうであったのか、あまり知らない読者も多いと思い、ネット上の情報を元に、ここにごく簡単に抜粋をしてみる。

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