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君は放射線を見たか?福島での霧箱実験授業その3

あれから1年、正しく怖がる放射能【13】

2012年6月26日(火)

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 これは何事によらず、人間のなすこと百般に通じると思いますが、手ぶらでただ見ているだけのものは印象にも残りにくいし記憶も定着しづらい。

 教育的な観点に立つのなら、できるだけ学ぶ人本人に手を動かさせ、能動的にアクションした結果としてご利益を手にしたほうが、なにより強く印象に残るし、記憶も長く定着する。早い話が達成感があり感動をもって身につけることが出来ると思います。

 で、授業などを作る場合も、日常的に、学生や聴き手が受身になるばかりでなく、積極的に関わって行けるものを工夫することにしています。福島の放射線可視化授業も、まさにその方向で考えています。今回はそうした実際をご紹介してみましょう。

原材料から手で作る霧箱

 福島で行っている霧箱による放射線(α線)可視化の実験授業は、すでに長らく確立され、評価の定まったものをもとに、子供向けに翻案させていただいているものです。

手製の霧箱装置

 東京大学理学部物理学科の3年生前期必修「物理学実験I」『放射線』ならびに後期必修「物理学実験II」『霧箱』のテーマからコアを抜き出し、被災地ですので内部被曝予防など少し内容を検討、付加などして、今回のメニューを作りました。内容面は1から10まで、理学部物理学科の箕輪眞先生(素粒子実験)ならびに箕輪研の皆さんのご指導のおかげで、整えることができたものです。この場を借りて改めて深く御礼を申し上げます。同時に本カリキュラムでなんらかの瑕疵があれば、すべては100%伊東の責任による誤りと思います。お気づきの点がありましたら、どうぞご指摘いただければ幸いです。

大学内で開いている震災復興会議の勉強会でも演示しながら議論する会を重ねている。実際に「放射線を見る」経験をすると先生方のものの見方や言葉に変化が見られることも。写真背景は粂川麻里生・慶應義塾大学教授

 大学3年生向けの「霧箱実験」では、自分たちでゼロから形を考え、設計図面を引き、それにあった大きさにアクリル板やアルミ板など、原材料を切り出すところから、すべて手作りで学生が装置を制作します。

 こういう経験は決定的に重要です。僕自身、物理の卒業研究や修士論文は、すべて1から自作の機材を使って測定したものだけで仕事をまとめる指導を受けました。自分自身が教官業をやるようになってからも、第一原理からつまびらかな事柄だけですべてを構成することを指導の旨としています。幸い僕が指導した学生は各学年で首席修了してくれています。学生の努力もまた、ありがたいものです。

 アクリルとアルミの版を切り出し、アルミには黒ペンキのスプレーで着色したあと、カッターで碁盤の目を入れて飛跡を計測しやすいように整えます。準備の整った部材を集め、接着材でくっつけて霧箱本体の形に整えます。

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