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マイケル・ポーターで読み解く競争環境ダイナミクス

米スポーツ界でテレビ放映権が値上がりし続ける理由(下)

2012年7月2日(月)

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 米スポーツビジネス界でテレビ放映権が値上がりし続けるのはなぜか。その要因を今回も探っていきます。まずは前回(視聴率1%で放映権料が4億円以上というナゾ)に引き続いて、マイケル・ポーター米ハーバード大学教授の「5つの力」のフレームワークを用いて解説していきましょう。

図:マイケル・ポーター教授の「5つの力」
出所:マイケル・ポーター『競争優位の戦略―いかに高業績を持続させるか』(ダイヤモンド社)

 前回では、このうち「(1)業界内の競争環境」と「(2)新規参入業者の脅威」の2つの点から考察を行いました。

 人口動態やメディア環境の違いにより、視聴率1%の持つ量的・質的価値に日米で大きな違いがあることが、彼我の放映権料に大きな開きがある前提として指摘することができました。また、多チャンネル化が進展する米国では、新規参入者が絶えず現れ、さらにスポーツ組織側も戦略的に競合事業者を作り出してしまうことで、テレビ放映権が高値で取り引きされる競争環境が維持されています。

 今回のコラムでは、残りの「(3)代替製品の脅威」「(4)売り手の交渉力」「(5)買い手の交渉力」の3つの観点から、テレビ放映権が上昇し続ける要因を探ってみます。

制限して守るMLBと、付加して守るNFL

 まず、「(3)代替製品の脅威」ですが、テレビ視聴を「映像により試合という製品を消費するサービス」と定義すると、その代替品として真っ先に思い浮かべるのは、ネット視聴でしょう。

 この部分は、「(4)売り手の交渉力」とも絡んでくるところなのですが、結論から先に言えば、テレビ放映権の売り手であるスポーツ組織がテレビ視聴と競合するサービスを完全にコントロールしているため、テレビ業界の利益が代替製品の脅威から守られる構造になっています。テレビマネーはスポーツ界最大の収益源ですから、スポーツ組織はテレビ業界の利益を毀損する恐れのあるネット視聴を規制しているのです。

 各リーグによりインターネットを活用したビジネスモデルは異なるのですが、例えば米メジャーリーグ(MLB)では、以前「「テレビの失敗」からの大逆転劇(上) メジャーリーグ版YouTubeの裏に100億円近い設備投資」などでも解説したように、「MLB Advanced Media(MLBAM)」というネットビジネスを統括する別会社を設立し、ネット配信を独占管理しています。

 MLBAMはオンライン試合中継などを提供する有料パッケージ「MLB.TV」を配信しています。その際に、原則としてアウターマーケット(視聴者の居住地以外のフランチャイズ)の試合しか提供しないという規制を設けることによってテレビとネットの同時視聴を避け、MLBのビジネスモデルの根幹を支えているローカルテレビ局の放映権を守っているのです。この規制は、フランチャイズ内の試合をネットで見ようとしても画面が黒塗りにされるので「ブラックアウト・ルール」と呼ばれます。

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「マイケル・ポーターで読み解く競争環境ダイナミクス」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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