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君は放射線を見たか?福島での霧箱実験授業その5

あれから1年、正しく怖がる放射能【15】

2012年7月11日(水)

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 2011年3月11日以降、テレビであれだけ繰り返されながら、結局大して訂正されなかった放射線量に関する「誤報」、その根っこを前回に引き続き考えてみます。

 「シーベルト毎時」と「シーベルト」つまり「線量率」と「線量」の違いが判らない。両者を言葉の上だけで浅く取り違い、幾多の誤った情報が放送の電波に乗ってしまいました。

 これ、ある観点に立てばかなり重症の「科学音痴」の症状といわざるを得ません。

誰がスピードと走行距離を取り違えるか?

 ちょっと別の例から考えてみましょう。

 いま、新幹線が「時速250キロ」で走る、ときけば、人はなるほど速いものだな、と思うかもしれません。

 これが、最新式の「300系のぞみ」では時速270キロときけば、さらに速いと判るし、もっと新しい「N700系のぞみ」では時速300キロまで最高時速は上昇しているそうです。
さて、この

「新幹線の時速は250キロ」

という表現、これと

「東京―富山間は直線距離にして250キロメートル」

あるいは

「福島と東京は約250キロ離れている」

といった表現とは、言っている内容がぜんぜん違いますね。これらを混同する人はほとんどいないと思います。

「新幹線が250キロで走る」というとき、この「250キロ」は「時速250キロメートル」つまり1時間あたり250キロメートルを走行するという

「スピード」

を表しますし

「東京と福島は250キロ」というのは、同じ「キロ」といっても両者の

「距離」

を表す、とほとんどの人が瞬間的に理解します。さらにいえば、これらと

「あの相撲取りは体重が250キロもあるそうだ」

というときの250キロとは、同じキロでも250km(キロメートル)と250kg(キログラム)という、単位の上での明らかな違いがある。これを混乱することも(何かの具合でうっかりミスなどないかぎり)ほとんど考えられないことです。

コメント4件コメント/レビュー

前回、今回の記事を読んで、20年程前に某一部上場企業中央研究所で行った技術系新入社員研修のことを思い出しました。簡単な化学系の実験をやってレポートを書かせるわけですが、実験で得られるデータと結論を導く式の単位が違っていたので、「単位換算は自分でやってね~」と何気なく言ったところ、どうも皆の反応がおかしい。まさかと思って「もしかして、単位換算ができない?」と聞いたところそうだと言うんですよね。確かに化学系の人ばかりではありませんでしたが、単位が明示されているのだから計算くらいできるでしょうに。仮に見たことない単位だったとしても、「あ、単位換算ね。見たことないけど調べりゃ楽勝」くらい思って欲しかった。一部上場企業の中央研究所に配属されるような「科学的リテラシーが相当高い」はずの人でさえこういった有様でした。シーベルトとシーベルト毎時の区別など、一般人でつくわけがないと思うのが正しいのでしょうねぇ。悲しいですが。(2012/07/11)

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いただいたコメント

前回、今回の記事を読んで、20年程前に某一部上場企業中央研究所で行った技術系新入社員研修のことを思い出しました。簡単な化学系の実験をやってレポートを書かせるわけですが、実験で得られるデータと結論を導く式の単位が違っていたので、「単位換算は自分でやってね~」と何気なく言ったところ、どうも皆の反応がおかしい。まさかと思って「もしかして、単位換算ができない?」と聞いたところそうだと言うんですよね。確かに化学系の人ばかりではありませんでしたが、単位が明示されているのだから計算くらいできるでしょうに。仮に見たことない単位だったとしても、「あ、単位換算ね。見たことないけど調べりゃ楽勝」くらい思って欲しかった。一部上場企業の中央研究所に配属されるような「科学的リテラシーが相当高い」はずの人でさえこういった有様でした。シーベルトとシーベルト毎時の区別など、一般人でつくわけがないと思うのが正しいのでしょうねぇ。悲しいですが。(2012/07/11)

単位の問題、それも、**/h(毎時~)の概念がきちんと区別できていないから問題だとおっしゃる。中学の理科、数学までで理論的思考の訓練を止めてしまい、それ以降、生活に不要な知識を顧みずに生きているのが日本の大衆市民の実情。だれの責任か知らないがそれが現実。量率も判らないのは大問題!というなら中学までに誰もが一度は学んだはずの事を忘れて暮らしている多くの人をどう教育すればよかったのか議論するのですね。いいや、「*/h」は知ってても、シューベルト?シーボルト?シーベルトって何じゃい!が判らないから総線量も線量率も混同されるんじゃないのか。成り立ちからして社会的役割を持つシーベルトは純粋に理論的には扱いにくい単位であるし、おまけに短時間被ばくの健康影響度の議論に用いるのが相応しくない単位ときたら、原発事故のときシーベルト値を安全/危険の判断に使えるのかという不安など誰か払拭できるのか? 問題なのは不安はどうやれば拭い去れるのかであって、単位の知識じゃ解消しないだろ。速度と距離ぐらい区別がつく人がほとんどだ。そんな人でもシーベルトだろうがシーベルト毎時だろうがいくつなら安全かなんてわからない上に誰がいつ・いくらの放射線に曝されているのかすら判らないから不安なんでしょうが。がくしゃばかきわまれり。(2012/07/11)

伊東さんが非常に慎重に書いておられるのはわかりますが、なかなか主張そのものの要点にお入りになりませんね。「正しくこわがる」ために、一端出来上がってしまっているらしい固定観念を「正しくほぐさなければならない」ということだと思います。(2012/07/11)

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