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ジャズフェスの“歌姫”に感じた「スター」性の源

経営者や政治家にも共通するカリスマの要件

2012年8月6日(月)

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 スターとは何か。カリスマとは何か。こうしたことを改めて考えている。

 きっかけは、神奈川・葉山マリーナで開催された野外ジャズフェスティバル「真夏の夜のJAZZ in HAYAMA2012」を観賞したことだ。このジャズフェスを訪れたのは、昨年に引き続いて2回目。今回は7月27日(金)と28日(土)の2日間にわたり、様々なアーティストがゲストも交えて演奏した。

 屋外のジャズフェスらしく、海と背後の山に挟まれたマリーナの屋外で、多くの人たちが持ち込んだワインや、会場内の屋台で買ってきた生ビールを手に、ゆったりした感じで音楽を楽しむ。私自身は、2日目だけ楽しませていただいたのだが、この雰囲気は本当に素晴らしい。

 仕事で、アジアを中心とした新興国に行っては、経済成長に向けた強烈なエネルギーに触れ、彼我の元気の差をつくづく感じてしまうことが多い。しかし、こういった余裕のある時間を、小さな子供からシニアまで、幅広い層の方々が楽しんでおられるのを見ると、一定の成熟に達した市民社会の良さ、懐の深さといったものは、捨てたものではないと思える。

最も印象に残った“意外”なシンガー

 さて、昨年、早い出番で登場し、1曲目から聴衆を一気に持っていってしまった若手ピアニスト、山中千尋。彼女の演奏は、今年も素晴らしかった。今回は、トリで登場し、イタリアから当日の朝帰国したばかりとは思えない熱演で、「タイトなリズムとスピード感」、そして「奔放でその実、なかなか繊細に歌い上げるメロディライン」、というなかなか両立しがたい2つの特質を、同時に披露してくれたのには本当に感心した。

 しかし、最終日に最もインパクトを与えたステージは、天才ドラマー、村上ポンタ秀一率いるponta boxにゲストとして登場した八代亜紀(!)だったと思う。

 村上さんは、1970年代前半に赤い鳥に参加以来、ありとあらゆるジャンルのミュージシャンから引っ張りだこの名ドラマー。我々、関西でバンドをやっていた人間にとっては、神様のような存在である。

 彼を中心としたponta boxが登場し、まずはトリオで濃いジャズナンバーを披露した。オーネット・コールマン、ハービー・ハンコック、セロニアス・モンクのナンバーから、それぞれ1曲ずつをインストルメンタルでプレー。お詳しい方なら、すぐに気づかれると思うが、およそポップな世界とは無縁なところにある曲ばかりだ。ましてや歌謡曲の世界とはつながりようもない。

 村上さんのトリオが、ジャズ好きの聴衆を引きつけに引きつけたところで、ゲストとして八代亜紀さんが登場。普通なら、聴衆も(そして恐らくは)出てくる側も、何となく場違い感があって、居心地の悪さを感じてしまうのだろうが、彼女は全く違った。

 満面の笑みを浮かべながら、ジャズっぽいリズム感で歩いてステージ前方に出てきただけで、圧倒的な存在感でその場の雰囲気を一変させてしまう。本来は違和感があるだろうところを、「ああ、この人はスターだ」と有無を言わさず感じさせ、そこにいることを納得させてしまう登場の仕方なのだ。

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「ジャズフェスの“歌姫”に感じた「スター」性の源」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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