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移民で増えてきた米国の人口が減少に転じる?

人口トレンドも大きく変化し得るという視点を持とう

2012年9月10日(月)

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 マクロ経済は、大学院の時に少しかじっただけなので、いろいろな方に教えを請いながら勉強を続けている。

 ちなみに、マネジメントコンサルタントにとっては、マクロの経済の動きとミクロの企業戦略のリンク付けが最も大事なポイント。従って、ボストン・コンサルティング・グループとして景気予測の数値を発表したりはしないが、社内にマクロ経済について深く理解しているエキスパートたちがいる。彼らと他分野の専門家が議論を戦わせたうえで、例えば「現在のユーロ危機の見通しとXX業界へのインプリケーション」といったコンテンツのR&Dを行っている。

 さて、教科書的な勉強だけでなく、「これは」と思える方々のご意見を定期的にうかがったり、そうした方々がまとめたリポートを拝見したりすることも習慣になっている。その中の1人である、BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎さんが8月27日に出したリポートは大変興味深かったので、少しご紹介してみることにしたい。

注目すべき米国の高齢化とその経済への影響

 言うまでもなく河野さんは著名なエコノミストで、いつお話をうかがっても刺激を与えてくれる数少ない方の1人だ。今年春には、日銀の審議委員として推されたものの、野党が過半数を占める参議院で否決された1件が大きく報道されたので、ご存じの方も多いことと思う。

 今回のリポートで取り上げられたのは、米国の高齢化とその経済への影響というポイントだ。結論から言えば、次のようなご意見が述べられている。

(1)米国でも高齢化が進展しており、人口増が続く珍しい先進国ではあっても、労働力人口の伸びは低下。

(2)この結果、トレンド成長率も(多くの見方である3%弱ではなく)2%弱に低下していると考えるべき。

(3)この点を、財政・金融当局が見誤ると、(経済構造の変革ではなく)財政・金融政策に必要以上に依存する形で、景気刺激的な政策を続けることとなる。これは、結果的に構造調整による経済成長を遅らせることにつながる。

 余談になるが、3点目については、河野さんは日本経済にも同様の問題が発生したと考えておられる。その論理的帰結としては、金融政策が過度に緩和的であることに対して否定的な立場となる(タイミングと程度の問題ではあるが)。このため、大幅な金融緩和によるデフレ脱却論や為替調整論の立場に立つ向きからは、強い反論を受けることにもなりがちだ。

 実際のところ、この立場の違いは、(理論的ポジションの違いはあっても、プラクティカルには)経済成長を実現するための時間軸とその手段のメリハリの差に過ぎないという面もあるのだが…。

 ちなみに私自身は、市場へ警告を発するシグナリングとしての金融政策活用の価値はあると考えているが、中期的な成長実現の処方箋については、河野さんの見方に賛同している。

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「移民で増えてきた米国の人口が減少に転じる?」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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