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「人の価値もカネ次第?」 格差を肯定する人々の不気味

人生に充足感をもたらす価値は人によって異なることを再認識しよう

2012年9月18日(火)

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 先日、あるテレビ番組で政治家の方たちとご一緒する機会があった。理由は言うまでもない。今や永田町の最大の関心事である政局。その政局をテーマとした番組だったからだ。

 「次の与党は?」「次の首相は?」──。話題もお決まりのものばかり。少しばかりいつもと違うことといえば、「維新の会がどうなるか」という話題が加わったぐらいだった。

 で、番組の終了後にも、やはりその話が続いた。

 「やっぱりね、世界ともっと競争していかなきゃ、ダメなんですよ」

 維新の会のブレーンとして知られている某氏は、「世界」「競争」という言葉を何度も何度も繰り返した。

 そこで私も、「国内でも、もっと競争社会にした方がいいってことですか?」と聞いてみた(愚問と言われればそれまでだが…)。

 「もちろん。競争させなきゃ、日本はどんどんダメになるでしょ」と某氏。

 「競争するってことは、格差が広がるってことですよね?」と再び愚問。

 「おいおい、今さらそんなことを聞いてどうするんだ!」とおしかりを受けそうではあるが、東京にいると大阪で発せられているものの空気がよく分からなかったりもする。とにもかくにも、直接確かめたくなってしまったのだ。

 「この女、何を分かりきったことを聞いてるんだ?」と某氏が思ったかどうかは分からないが、彼は「もちろん。そういうことです」と即答した。何のためらいもなく即答したのである。

格差社会をためらいなく肯定する違和感

 ううむ、何だかなぁ。当然と言っちゃあ当然の答えなのだが、競争社会についても格差社会についても、面と向かって肯定されると、その言葉の重みが急激に増してくる。

 そこで、周りにいたスタッフに念のため確認してみた。「そのことって、当然、大阪の人って……分かっているんですよね? そのつまり……。格差が広がるってことを分かっていても、多くの人が橋下さんを支持しているってことですか」と。

 すると、周りのスタッフたちもまた、全くためらうことなく次のように即答したのだ。

 「分かっていると思う。橋下さんはこっち(大阪)では何度も言ってるから、十分に分かっていますよ」 

 競争社会、ね。

 確かに、どんな世界であっても、生きている限り誰かと競争しなくてはならない場面は当然ある。受験だってそうだ。就職試験だってそうだし、異性をゲットするのにだって多少なりとも、競争は存在する。

 でも、どういうわけか、「競争しなきゃダメ」と言われると、何だかひるむ。「競争しなきゃ、負けるんだよ。そこで負けていく奴は、頑張りが足りないんだよ」と無理やり尻をたたかれているような気がして、気分がド~ンと滅入ってしまうのだ。

コメント74件コメント/レビュー

格差があればあるほど効率的な社会なのだとすると、スターリン時代のソ連とか超高効率で、経済力によって資本主義側を圧倒しちゃってそうだけど…。また格差が少ないのが駄目だとすると、高度経済成長時代の日本とか、今新興国とか言われているところで格差が縮小しているのはけしからんこと、ということになりますが、本当かな。(2012/10/02)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「「人の価値もカネ次第?」 格差を肯定する人々の不気味」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

格差があればあるほど効率的な社会なのだとすると、スターリン時代のソ連とか超高効率で、経済力によって資本主義側を圧倒しちゃってそうだけど…。また格差が少ないのが駄目だとすると、高度経済成長時代の日本とか、今新興国とか言われているところで格差が縮小しているのはけしからんこと、ということになりますが、本当かな。(2012/10/02)

どうもよく分からないことがあります。それは「競争」の意味です。なにやら河合さんは「競争=お金を稼ぐプロセスやその結果」と言う意味に使用されているように感じます。このような意味の「競争社会」は否定されるべきですが、競争の中身が「個人の持つ価値を実現するための努力」という観点であれば、「競争社会」は好ましい社会といえると思います。例えば、昔よく言われたことですが、徒競走で勝つことが評価される「だけでなく」、絵を描く能力「も評価される」社会であれば、「個人の持つ価値を実現しよう」として「競争」することができるように思います。「競争」と言う言葉を河合さんが「お金」とリンクさせて使用し、これを否定しようとすることが、私の感じている意味での競争の実現を妨げているのではないか、と感じます。(2012/10/02)

■「競争が社会を良くする」は経済学の真理なんだけど、格差がそれにどう影響するのかは経済学ではあまりはっきりとは説明されていない。勿論、マルクス以来現代に至るまでこの問題に関しては諸説があり、そこから考えるに「世代を超えて格差が持続するような社会は競争メカニズムが健全に働いていない非効率な社会(「競争促進のための規制緩和」という名のもとに、独占力の行使や外部不経済の発生が放置される社会)」「放置しておけば社会は崩壊、できるかどうかは微妙だが、修正は必要」というのが結論になるのでは、と思う。■あと、競争社会というのは、「自由や独立」を尊ぶ人が自己の責任のもとに生きていく、という事が貫徹する際に初めてうまく機能する、という考え方もできるかと思う。他人の収入が気になって仕方がなく、格差による治安の悪化を政府によって守ってもらおう、という他力本願な人ばかりで、これが成立するとはとても思えない。■筆者の「違和感」は、本当は経済学者が経済学の限界を含めてわかりやすく記述すべき問題であろう。記事に対してイマイチというコメントが多いが、適切な論者がおらず、心理学者の筆者がこうした問題を提起せざるを得ないというのも問題の一つかもしれないとちらと感じた。(2012/10/02)

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三品 和広 神戸大学教授