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内憂外患の今こそ政治に必要なのは「合従連衡」の知恵

対立を乗り越えた先達や海外の成功例に学ぼう

2012年10月1日(月)

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 まずドン・ぺリニオン1995年で乾杯。
 前菜は「フォアグラのテリーヌ」。これに合わせて、世界最高の甘口ワイン、シャトーディケム1990年を。
 メーンの「ウズラのアミガサ茸の詰物」には、ボルドー最高峰のシャトー・ムートン・ロートシルト1988年。
 その後、チーズ、ならびにチョコレートとアーモンドのケーキ。

 これは、2004年4月5日、12年ぶりに国賓としてフランスを訪れた英エリザベス女王を迎えて、シラク大統領(当時)が主催したエリゼ宮での晩餐会のメニューだ。

 毎日新聞編集委員の西川恵さんが『ワインと外交』(新潮新書)の中で紹介しておられるのだが、言うまでもなく、この料理とワインの組み合わせは、少なくとも招待客240人という大宴会としては、最高級のものだ。コストを心配する執事長の反対を押し切って、ベルナデット大統領夫人(当時)が決めたという。

フランスの配慮に応えた英女王の名スピーチ

 イラク戦争で米国支持に回った英国と、反対を貫いたフランスの対立、という背景の中、両国の友好関係を再構築しようという政治的判断があったことは、間違いないだろう。

 一方、エリザベス女王の方も大いにそれに応えたという。同書から、晩餐会で女王が行った乾杯のスピーチを少し引用させていただこう。

 「両国は…自由と民主主義のために手を携えてきました。ただ我々はすべてに一致するわけではありません。英国のプラグマティズムとフランスの情熱。フランスの構想力と英国のユーモア。英国の雨とフランスの太陽。私たちはこの補完関係を喜ぼうではありませんか。」

 「両国の違いに万歳、そして英仏協商にも万歳。」

 ご存じの通り、英仏協商は、この晩餐会からちょうど100年前、アフリカ大陸の植民地を巡る両国間の争いを受けて成立した両国間の協調体制である。対ドイツという側面もあったとされるが、古くは100年戦争を戦った両国が、この後、いざという時には同盟国として協力し合うきっかけになった。

 短期的には、意見を異にすることが続いている。また文化や国民性も大きく違う。しかし、歴史的には協調し同盟することで両国ともメリットを享受してきた。こういったことを、ウィットを効かせながら訴えかける、なかなかの名スピーチだと思う。

 ちょっと引いた視点で見れば、「自由と民主主義」という大きな方向性を「軸」として、個々の局面での「意見対立を超えて協調」することで、両国の国益を守り、伸ばす、という知恵の重要性を示しているスピーチであり、晩餐会であったのだろう。

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「内憂外患の今こそ政治に必要なのは「合従連衡」の知恵」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCG シニア・アドバイザー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経てボストン コンサルティング グループ(BCG)に入社。BCG日本代表、グローバル経営会議メンバー等を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官