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短命総理が教えてくれる、リーダーの“最初のお仕事”

トップこそ組織への適応努力が欠かせない

2012年10月2日(火)

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「自民党総裁選は盛り上がってうらやましい」――。

 先週、自民党の新総裁に安倍晋三氏が選ばれる様子を眺めていた民主党の若手議員が、そう呟いていたそうだ(9月27日付 朝日新聞にて)。

 ん? 盛り上がっていた? 確かにこのひと月ばかり、テレビでは連日、「次の自民党の総裁は?」みたいなことばかりが報道されていたし、新聞でも誰それが出るだの、誰それが優勢だの、「今回の総裁選は、日本の次の総理大臣を選ぶ、実に重要な選挙です」なんて言葉ばかりが流れていた。

 うん。盛り上がっているといえば盛り上がっていた。確かにテレビ画面の中や、永田町界隈では相当に盛り上がっていたようだった。

 だが、こちらはちっとも盛り上がらない。

 そりゃそうだ。2006年9月以降、安倍さん→福田さん→麻生さん→鳩山さん→菅さん→野田さんと、わずか6年で6人も総理大臣が変わったのだ。おまけに、まだ選挙がいつあるのか? もわかっていないし、自民党と民主党の政策の違いもいまひとつ明確じゃないし、なんといっても現時点での与党は民主党だし、総理大臣は野田さんだし、「次の…」って言われたところでイメージがわかない。

 結局、永田町界隈の人たちにとってはリーダー選びこそが最高の仕事。リーダーを選んで、批判して、引きずり降ろす。政局命。三度の飯より、リーダー選びとリーダー降ろしがだ~い好き。政権交代が加わるとなれば、最高潮に盛り上がって当然だ。

 でも、こちらとしては、「もう誰でもいいから、ちゃんとやってよ。お願いだから」としか申し訳ないけど、思えないのである。

なぜリーダーは受け入れられないのか

 そもそもいったいなぜ、彼らは自分たちが選んだリーダーのもとでまとまっていくことができないのか?

「そりゃ当たり前だよ。リーダーシップのある人材がいないんだよ」

 そう断言する人もいるかもしれない。

 けれども、いかなる組織でも、リーダーシップが問題になるのは、そこにいるメンバーたちがやりがいを感じられなかったり、熱狂できなかったり、楽しめなかったり、自分たちのやりたいことができなかったとき。そう。うまくいかないジレンマが組織の空気に漂った時に初めて問題となるテーマで、メンバーたちにネガティブな感情が蔓延した時にしか、注目を浴びないものだ。

 ではなぜ、繰り返し不満が蔓延しつづけてしまうのか? 

 どうしたら、メンバーたちに『真のリーダー』として受け入れられてもらえるのか?

 総理大臣の入れ替わりにホトホト嫌気がさしてる身としては、考えてみる価値は十二分にありそうだ。

 とはいえ、餅屋は餅屋。政治のことを論じるには知識も技量もちと足りない。

 けれども、キャリア心理学の側面から、考えてみることは十分できる。

 そこで、今回は、「どうすればリーダーは、メンバーたちに受け入れられるのか?」というテーマで、私なりに思考を巡らせてみようと思います。

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「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「短命総理が教えてくれる、リーダーの“最初のお仕事”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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