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「プロじゃなかった…」リストラで運転手になったミドルの重い一言

グローバル時代を生き抜くプラスアルファを身につける意志力と継続性

2012年10月23日(火)

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 今回は、非常に考えさせられる出来事があったので、そのことから話そうと思う。

 テーマは何だろう? グローバル時代の真実、雇用喪失時代の悲劇……。いずれもちょっと違う。まぁ、いい。まずは皆さんも、読み進んでみてください。

 「道にまだ詳しくなくって…。すみませんが、行き方を教えていただいてもいいですかね?」

 先日、仕事の帰り道で乗り込んだタクシーの運転手さんは、目的地を告げるなり、そう話し出した。

 数年前から道を知らない運転手さんが、明らかに増えた。だから「またか……」としか思わなかったし、「はい。〇〇方面に向かってくだされば、近くなったら詳しく言いますね」と、いつものように私も答えたのである。

 ところがその運転手さんは私がありきたりの答えをするや否や、突然、ご自身の身の上話を始めた。年齢は、恐らく40歳過ぎ。話しぶりからは、50歳にはなっていないと思われる。で、その内容が、何とも考えさせられるものだったのである。

中国語が話せて最初は重宝されていたが…

 「いやぁ~、ホントお客さんには迷惑をかけっぱなしで。実は私、脱サラしまして。いやいや、そんなカッコいい話じゃないですね。リストラされてね。家族食わせるためには、のんびり仕事探している時間もなかったんで、タクシー運転手になったんですよ」

 「私、ちょっと中国語を話せたんで、前の会社が中国に進出するってなった時に、現地に赴任することになりましてね。家族も引き連れて、中国に乗り込みました。ほら、工業団地ってあるでしょ? あれですよ。で、現地で中国人をたくさん雇って、私たち日本人が彼らに仕事を教えたり、彼らを管理したり。英語を話せる中国人はあまりいませんでしたから、多少下手くそでも私のように中国語を話せると重宝されたんです」

 「どんなお仕事をなさっていたんですか?」と、聞いてみる。

 「生産管理です。あっちではそういう発想がもともとないのか、教えるのに苦労しました。でもね。中国人は日本人よりガッツがあるっていうか、何というか。1つ教えるでしょ? そうすると食らいついてくる。とにかく覚えるのが速いし、一生懸命やる。だから教えがいがある。これじゃ、日本人はかなわんなぁ~なんて思っていました」

 「そんな中国人ですから、日本語が上達するのも速くて。気がつくと私の中国語よりも上手に日本語を話す中国人が山ほど出てきた。生産管理も自分たちでできるようになった、日本語も話せて本社とも話ができる。となれば、私はお払い箱ですわ。5年前に中国に家族で引っ越した時には、想像もしていませんでしたよ。情けない話ですなぁ」

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「「プロじゃなかった…」リストラで運転手になったミドルの重い一言」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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