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ハリケーン「サンディ」がスポーツツーリズムに突きつけた課題

NYCマラソン開催を巡る迷走劇に学ぶべき教訓

2012年11月8日(木)

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 ハリケーン「サンディ」がニューヨーク沿岸を襲ったわずか2日後の10月31日、ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長は、「ニューヨークシティ・マラソン」(NYCマラソン)を予定通り11月4日に開催すると早々に発表しました。

 NYCマラソンは世界中から5万人近い参加者と200万人の観客を呼び込む世界最大のマラソンレースで、その経済効果は約3億4000万ドル(約272億円)と試算されています。日本からもロンドン五輪の女子長距離代表でハーフマラソンの日本記録保持者、福士加代子選手(ワコール)が参加する予定でした。

 しかし、日に日にサンディによる被害の全貌が明らかになりつつある中で、この決定が各方面から大きな批判にさらされました。サンディがもたらした被害は想像を超えて甚大を極めていたからです。

市長も前言を翻して2日前に中止を決定

 高潮により車や自宅が流されたり、船が内陸まで押し上げられたりといった被災地の光景は、2011年3月11日の東日本大震災に酷似しています。例えば、多くの被災者がその日暮らしを余儀なくされる東北の被災地で、地震から1週間もたたないうちに世界中から観光客を呼び込んだマラソン大会を強行しようとしたら、あなたはどう思うでしょうか?

 すると、同市長はレース2日前(開催強行宣言から2日後)の11月2日夕方、前言を翻してマラソンの中止を決定しました。NYCマラソンは、参加者の半数近い約2万人が海外から参加することで知られています。中止を決定した時、既に海外からの参加者の多くはニューヨークに到着していたそうです。

 今回は、日本でもここ最近、地域活性化や観光客誘致の目玉施策として注目を集めるスポーツツーリズムについて、NYCマラソンをケーススタディーとして、その功罪や学ぶべき点について考えてみようと思います。

 私自身も、正直に言って、ここまで大きな被害が出るとは思っていませんでした。

 ニューヨーク市の対策は、昨年米国東海岸を襲ったハリケーン「アイリーン」と同様のものでした。想定される災害の危険度を元に市内をゾーンAからCの3つに区分し、サンディが上陸する36時間前位の時点で既に危険度が最も高いゾーンAの住人に対して避難命令が出ていました。上陸24時間以上前の10月28日午後7時には、地下鉄もストップし、外出が禁止され、市内は完全に災害防御モードに突入していました。

 幸い、昨年のアイリーンの際は市内には大きな被害もなく、ニューヨーカーは良い意味で“肩透かし”を食らった形になりました。口の悪いニューヨーカーの中には、「避難に要した費用を市に損害賠償請求してやる」といった悪い冗談を言う余裕もありました。しかし、サンディは全く違っていたのです。

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「ハリケーン「サンディ」がスポーツツーリズムに突きつけた課題」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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