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「雇用創出!」と声を張り上げる政治家に欠落している“視点”

働くことで高齢者に「有意味感」を与えて再興した過疎の町

2012年12月18日(火)

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 選挙が終わった。

 これから私たちの生活はどうなるのだろうか?

 何とも言えない閉塞感だけが募る選挙だった。特に、雇用問題については、どの政党が政権を取ったところで良くなる気がしなかった。「雇用を増やす!」、「雇用創出!」という政治家たちの声を聞くたびに、漠然とした不安が広がっていく。仕事のある人と仕事に就けない人。雇用形態の違いだけで広がる賃金格差。何も変わらない、いやもっとひどくなっていくんじゃないか。そんな暗鬱とした気分にさえなった。

 何しろ衆院選が告知され、日本維新の会が「最低賃金制の廃止」を盛り込んだ選挙公約を発表した時、テレビも新聞も大手メディアの扱いは極めて小さかったのだ。全く扱わないメディアもあったほどで、その静寂ぶりが何とも不気味だったのである。

「最低賃金制の廃止」を“後退”させた維新の会

 そんな中、ネット上では批判的意見が相次いだ。

 「おい、これ以上賃金減らされたら、生きていけないよ」
 「オレたちを奴隷化しようって思ってるのかよ」
 「で、どうせそれって非正規だろ? また正社員との格差が広がっていくぞ」
 「何でメディアは取り上げないんだよ。自分たちには関係ないって思ってるか、これで下請けのダンピングができるって喜んでるんじゃないか」

 恐らくこういった反応が影響したのだろう。告示後の11月29日に発表された時に明記されていた「廃止」という文字は、12月3日の時点で、「改革」と書き換えられたのである。

 当初、維新の会の代表代行である橋下徹・大阪市長は「最低賃金を出せない企業もあるので多くの雇用を生み出せる」と廃止の理由と語っていた。にもかかわず、「市場メカニズムを重視した最低賃金制度への改革」と、どうにでも取れる文言に変えられたのである。

 選挙期間中に、「おいおい、マジかよ~」と、政治不信がさらに広がった出来事はほかにもある。

 今回の選挙とは直接関係はないけれども、12月2日に中央自動車道・笹子トンネルで天井板の崩落事故が起こり、点検検査の不備が指摘された時にも、小泉純一郎政権時代に日本道路公団が民営化された結果、役員ばかりが増えていた実態が報じられたのだ(出所:日刊ゲンダイ2012年12月8日付け)。

 小泉政権が行った民営化の顛末が、旧道路公団時代には総裁、副総裁、理事の8人しかいなかった役員が、民営化後には東日本高速道路会社で20人、中日本で15人、西日本で17人に増えていた。合計すると52人と公団時代の6倍を上回る人数だ。役員報酬も公団時代は総額1億4000万円だったのが、3社合計で推計8億円以上に達していたという。

 もちろんこれは民営化された組織の内部の話で、政治の話ではない。だが、「う~む、結局はこうなってしまうわけね」と。政治って、誰のために政策を決めているんだろうね?と。国民のため? ホントに私たちの方を向いているの? そんな疑問を感じざるを得なかったのである。

コメント57件コメント/レビュー

葉っぱビジネスはそれはそれでいいことなんですが、結局はそれだけのお給金しかもらえない=それだけの技術と技能しかないからじゃないのでしょうか。世界中で最も高い給料をとっている日本で、単純作業しかできません、創意工夫を自ら実践しません・・・では、発展途上国と同等水準のお給料になるでしょ・・(2012/12/23)

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「「雇用創出!」と声を張り上げる政治家に欠落している“視点”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

葉っぱビジネスはそれはそれでいいことなんですが、結局はそれだけのお給金しかもらえない=それだけの技術と技能しかないからじゃないのでしょうか。世界中で最も高い給料をとっている日本で、単純作業しかできません、創意工夫を自ら実践しません・・・では、発展途上国と同等水準のお給料になるでしょ・・(2012/12/23)

我々は政治家と国家組織の被害者って視点はもう古すぎるんじゃないかと。我々に職がなく給料が下がってるのは政治の所為じゃないよね。(2012/12/22)

投票しない事は闘争などではない。そもそもボイコットの意味を履き違えている。選んだ者の責任と言うが、そもそも選挙に参加すらしない者、つまり選択すらしない者に、選択を誤った者をけなす道理などあるのだろうか。民主主義において投票は“ただの入り口”に過ぎないと気づくべき。政治の動きをきちんと監視し、理解出来ている者がどれ程いるのだろう。ここのコメントを見ているだけでも、民主主義をきちんと理解していない者が余りに多いと思い知らされる。アメリカ大統領選挙では、候補者同士が互いにけなしあう泥仕合が問題になったが、日本はそれ以下。そもそも監視すら出来ていないのだから。(2012/12/22)

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