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将来世代にツケを回す先進国の姿勢は「投資詐欺」

ドイツの同僚が掲げたすぐ取り組むべき10の打ち手

2012年12月26日(水)

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 1920年に、チャールズ・ポンジという男が編み出した投資詐欺の手法がある。当時の急激なインフレ進行で、イタリアで購入する国際郵便の返信用クーポンを、米国で切手に交換すると相当なさや抜きが可能となっていた。ポンジはこれに目をつけ、45日間で50%のリターンを返せる、とうたって、出資者を募った。

 実際には、後から出資した人のお金を、先に出資した人への支払いに充てるという単なる自転車操業で、いつかは破綻することは必至だった。しかし、後に「ポンジ・スキーム」と呼ばれるようになったこの仕掛けで、ポンジは数多くの投資家に現在価値で200億円近い損失を被らせたという。

 最近、ドイツ人の同僚であるダニエル・ステルターが「現在の先進国経済の状況はポンジ・スキームそのもの、すぐに抜本的な手を打つべし」という趣旨の小論を書いた。ちょうど日本でも選挙が終わり、今後の社会・経済への処方箋の議論が再活性化するタイミングでもあるので、その内容を少しご紹介してみたい。

OECD18カ国の負債合計の対GDP比は30年間で倍増

 前提となる認識は、2つに集約される。

 第1に、先進国は押しなべて莫大な負債を抱えており、これは到底、通常のやり方では返済不能なレベルに達している。

 第2に、一方で先進国の政治リーダーたちは、思い切った手を打つことを避け、結果的に、将来世代に対して大きなツケを回すことを選択している。これは、言い換えれば、後から来る人たちの支払いを当て込んで、今の人たちがメリットを享受するということであり、ステルター本人も認める通り、やや誇張して言えば、ポンジ・スキームそのものである。

 国際決済銀行(BIS)の分析によれば、経済協力開発機構(OECD)に加盟している主要18カ国の政府、家計、(非金融)企業、各セクターの負債合計は、1980年にGDP(国内総生産)の160%だったのが、2010年には321%に達しているという。インフレを控除して、実質で見れば、政府の借金は4倍、家計は6倍、企業でも3倍、という恐るべき増え方だ。

 当然ながら、借金が将来にメリットを生む投資に向かっていれば、問題は小さい。しかし実際には、増えた負債の多くは、利子の支払い、現在の消費、そして投機的なマネーゲームに費やされてしまった。

 こうして、普通のやり方では、順調な返済が不能となった借金は、将来世代から現役世代への富のシフトを生んでいるだけではない。将来の経済成長力を弱める効果もあるため、将来世代の苦労をさらに重いものにしている。

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「将来世代にツケを回す先進国の姿勢は「投資詐欺」」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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