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「性格が原因?」 メンタル不調者に張られるレッテルの恐怖

ストレスの雨を防ぐ“傘”を差し出す人がいる会社や社会に

2013年1月8日(火)

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 1年の始まりなので、希望の持てることを書こう! そう考えていた。2012年の最後のコラムも、ちょっとだけ前向きになれるような話を書いたことだし、年が明けたら、「よっし! やるぞ!」ってな気分になるはず……などと考えていたのだ。

 でも、「方針を転換しよう」という思いに今は襲われている。期待、希望、前向き。そんなポジティブな感情の裏側には必ずと言っていいほど、いくばくかの不安がある。いや、正確には懸念。そう、「気がかり」なこと。

 そんな懸念を抱かざるを得ない気分に襲われてしまったのだ。きっかけは昨年末に読んだある新聞記事だった。

 そこで今回は、「2013年の懸念」をテーマに考えてみようと思う。

記事の基になった厚労省の調査結果に感じた違和感

 懸念のきっかけとなったのは、産経新聞の2012年12月26日付け朝刊(電子版は同12月25日)に掲載された「大企業の8割に『メンタル不調』の従業員 理由の過半数は『本人の性格』」と題する記事だった。

 この記事の基となったのは、厚生労働省が同年10月25日に公表した「平成23年労働災害防止対策等重点調査の概況」。この調査において、同省は全国1万3276社を対象に2011(平成23)年10月末時点の労災防止対策などの状況を聞き、9664社から回答を得ている。

 メンタルヘルスケアに関する調査結果の部分を見ると、「過去1年間にメンタルヘルス不調を抱えた労働者がいる」企業は全体では13.9%だが、従業員300~499人の企業では78.5%、同500~999人では86.9%、同1000~4999人では93.0%、同5000人以上では95.5%と9割を超え、大企業ほどメンタル不調者が多いことが分かる。

 ただし、こうした大企業でメンタル不調者が多いことを示す結果にはさほど驚きを感じなかった。どんなに積極的にメンタルヘルス対策に取り組んでいる会社であっても、メンタル不調に陥る社員をゼロにすることは極めて難しい。実際、どんな企業の人と話をしても、メンタルの問題は必ずと言っていいほど出る。

 で、引っ掛かったのはどこかと言えば、産経新聞の記事でも紹介されていた次の結果だ。

 メンタルヘルス不調者のいる企業が考えている理由(複数回答)として「本人の性格の問題」という回答が64%と6割を超え、「家庭の問題」(35.2%)、「上司・部下のコミュニケーション不足」(30.6%)などを大きく引き離して最も多かったのである。

コメント61件コメント/レビュー

メンタルになるのは「『本人の性格が原因』というのは正しい」というコメントがいくつもありますね。「要因」と「原因」を混同している気がします。要因=リスク因子と言っても良いですが、メンタルになりやすい人はいるとしても、発症はそれだけが原因ではない。パワハラ等の過剰なストレス、職場での孤立等が加わって初めて発症する。逆に言えば、そういう理不尽なストレス等の追加要因を付加しないように配慮すれば、メンタル面でリスクを抱える人も、職場でパフォーマンスを発揮し、事業に貢献できるはず。配慮せず、「この程度でつぶれる奴はそれまでよ」という態度で接して、結果人材を使い捨てていくことは、かえって会社としての効率を下げていると思います。(2013/01/11)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「「性格が原因?」 メンタル不調者に張られるレッテルの恐怖」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

メンタルになるのは「『本人の性格が原因』というのは正しい」というコメントがいくつもありますね。「要因」と「原因」を混同している気がします。要因=リスク因子と言っても良いですが、メンタルになりやすい人はいるとしても、発症はそれだけが原因ではない。パワハラ等の過剰なストレス、職場での孤立等が加わって初めて発症する。逆に言えば、そういう理不尽なストレス等の追加要因を付加しないように配慮すれば、メンタル面でリスクを抱える人も、職場でパフォーマンスを発揮し、事業に貢献できるはず。配慮せず、「この程度でつぶれる奴はそれまでよ」という態度で接して、結果人材を使い捨てていくことは、かえって会社としての効率を下げていると思います。(2013/01/11)

『それは単純にその人個人の能力の問題と捉えるべきであって、つぶれなかった人間は評価されるべきだと思うし、つぶれた人間はそれまでであったと評価されるべき。』この発想は「潰れなかった人間だけを育てる」という「選別型ブラック企業」の思考・発想ですよ。(2013/01/11)

『発達障害の問題が全く議論されていないのはおかしいですね。ASやLD、ADHD由来のコミュニケーション不調は相当あるはず。』昔からそれらの人は同程度の比率で存在していた訳で、そのうち高機能な人たちは会社生活もしていました。当然そうした人たちも「一回や二回はある事」の恩恵を受けて相談する機会もあったことと思われます。 今これを持ち出すのは「そんな対応面倒くさいからやりたくない」と言って切り捨てる口実を探してるだけなのでは?(2013/01/11)

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