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日本に社会を活性化する装置はあるか?

山口昌男「中心周縁理論」から考える現代日本の閉塞感(1)

2013年2月14日(木)

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 大阪市立桜宮高校での、教師の暴行をきっかけとする生徒の自殺問題、これを「体罰」と呼ぶことがそもそも間違いの元であり、さらに「体罰の是非」やら「どこまでが指導の範囲か?」などと問うことが、ほぼすべからく報道ショー的な安全圏での素っ頓狂な話である、とお話しているわけですが、これについてもう少し踏み込んで、本質的な問題を考えてみたいと思います。

なぜ自殺するのか?

 日頃触れない話題ですが、重要な問題ですので、あえて正面から考えてみたいと思います。いったい人はなぜ、自殺するのでしょう?

・・・むろんいろいろな理由があります。私に身近なところでは昨今、自殺の多くを鬱など精神状態の問題として捉え、病として対策を立てようとする傾向があります。たとえば被災地での厳しい生活が続くと前鬱の空気が濃厚となり希死念慮が蔓延しやすい傾向が見られることがある、このようなとき、統計的に見ると一定の投薬が功を奏する場合がある、といったような考え方です。

 疫学統計的に考えるなら、こうした考察はきわめて妥当であるし、診察所の開設など行政が適切に考えるべき課題もあると思います。しかし、個別のケースでは、こうした統計的、疫学的な考え方はほとんど役に立たないようにも思います。

 たとえばこんなケースがありました。非常に身近な人が自殺したことがあります。理由は職場でのイジメでした。長年にわたって、その人は劣悪な就労条件に置かれ続けた。どうしてそうなったのか、大本の理由は知りませんが、特定の上司に強く嫌われていたことは確かだと認識しています。

 その人をかばう上司もありました。嫌う上司が定年退職し、かばう上司が決済できるようになってからその人は20年前に進んでおかしくなかったレベルの昇進を果たしました。そのときは本当に嬉しそうでした。が、かばう上司の方が定年される前後から非常に不安定な状態となり、結局そのご定年と前後して、自ら命を絶ってしまいました。

 会社は、それがイジメに起因するのではなく、疾病の結果であったという方向での解釈を取ったように見えました。多くを記すことが出来ませんが、正直非常に不健康なものを感じました。病気である、ということで、本来あからさまな人災としての側面があるのに、それが見えなくなってしまう。そんなことでよいのか・・・? 私自身東京大学の中で手ひどいアカデミック・ハラスメントにあい、非常に劣悪な環境に置かれた経験がありますので、いま上で触れた人のようなことではいけない、と心の底から思います。

 明確にヒューマン・ファクターに原因があることが「天災」あるいは「疾病」などとされることで、その原因を不明確にする、あるいは糊塗する効果を発揮するのみならず、原因の構造を温存し、その再発を防止しないなら・・・

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