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“とりあえずシューカツ”に流れる学生と企業の相似形

熱意を持った学生と巡り合うために失ったものを取り戻せ

2013年3月5日(火)

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 「とりあえず数多くの企業にエントリーした」ことで学生は安心し、「とりあえずたくさんの学生を集めた」ことで人事部は安心する。そんな“とりあえず”を続けていると、自分がホントに「入りたい企業」なのかどうかが分からなくなり、ホントに「一緒に働きたいと思っている人」なのかどうかが、ぼやけてくる。

 そんな「とりあえず」を止めると、企業が動いた。

 「ロート製薬、あえて脱・ネット 『思い』を持つ学生と本音で対話」という見出しで毎日新聞が報じ、話題となったのは先週のこと。

 そのロート製薬のホームページに大きく書かれていたのが、前述の文言である。「とりあえずエントリー」の学生を批判するだけでなく、「とりあえず学生を集める」自分たちにも向けたメッセージを発したのだ。

 「とりあえず」を止める、と。

 実にいい。久しぶりにスッキリした気分になった。

就職先選びは人生における最大イベントの1つ

 何でもかんでも、まるで懸賞品に応募でもするように、「とりあえず」スマホをポチっとする学生にあ然とすることがあったし、「とりあえず学生を集めないと、上からプレッシャーがかかるんですよね」とさばききれないほどのエントリーシートに四苦八苦する採用の人に、違和感を覚えることもあった。

 もちろんとりあえずやってみて、思わぬ発見につながったり、自分でも気がつかなかった欲求や能力を見いだすきっかけになったりすることはある。でも、就職は違う。

 「就職先を志願する」ということは、人生の中で最も重みのある大切な行為の1つだ。たとえその先に転職することがあろうとも、自分の人生の時間軸で、共に歩む伴侶を見つける出会い。特に最初に就いたキャリアは、その後のキャリアに大きな影響を及ぼすため重要な道標だ。そんな大切な行事に“とりあえず”は軽すぎる。

 最近、うまく働けない若手社員や、彼らの教育に苦悩する管理職たちの話を聞くことが多いのだが、そこにも「とりあえず」思考なるものが一因になっているんじゃないかと思ったりもする。

 そこで今回は、「とりあえずシューカツ」が置き去りにしたモノについて考えてみる。

 「ロート製薬に思いを持った人だけに会う方法はないか」

 新聞で報じられている内容によれば、そんな思いでロート製薬が就職情報サイトでの募集をやめたのは、2011年度の採用時。ネットをやめ、応募を電話で受け付けるように変えたのだ。

 その結果、前年まで3万人近くに上った学生からのエントリーが800人程度に激減した。減ったことで学生と向き合える余裕はできたものの、「熱い思いを持つ学生」になかなか出会えなかったのだろう。

 だからこそ、「もっともっと」と考え続け、2014年4月入社の新卒採用からは全国約30の大学に社員が出向き、そこで開催するセミナーに採用側が積極的に参加し、直接会った学生からエントリーシートを受け付けようと決意したのだ。

コメント23件コメント/レビュー

野球でもスケートでもフェンシングでも、一流の選手になっている人は「結果の出せない時代」にも努力を継続させて、それを乗り越えて実力者になっている人が多い。そういった努力を支えているのがインテンションであり「自分はできる」という自信だという話は多い。自信はある種の妄想だと思う。しかしそういう「根拠のない自信」を持つことは、物事に対して前向きに努力を続けられるという意味でよいことではないだろうか。「根拠もなく自信を持つこと」を自信過剰だとか傲慢だとか言って「よくないこと」扱いする親や上司が多いが、むしろ「根拠もなく自信を持つ」ように子どもや若手を指導してよいと私は思う。「傲慢になる」と批判する人もいるが、それは「感謝の気持ちがない」ことが問題なのであって、感謝の念と同居させる限りにおいて「自信」は持たせるのが正解だと思う。欠点を指摘して矯正させることに重点を置かず、褒める指導に重点を置いた教育・育成をするよう心がけたい。(2013/03/07)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「“とりあえずシューカツ”に流れる学生と企業の相似形」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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野球でもスケートでもフェンシングでも、一流の選手になっている人は「結果の出せない時代」にも努力を継続させて、それを乗り越えて実力者になっている人が多い。そういった努力を支えているのがインテンションであり「自分はできる」という自信だという話は多い。自信はある種の妄想だと思う。しかしそういう「根拠のない自信」を持つことは、物事に対して前向きに努力を続けられるという意味でよいことではないだろうか。「根拠もなく自信を持つこと」を自信過剰だとか傲慢だとか言って「よくないこと」扱いする親や上司が多いが、むしろ「根拠もなく自信を持つ」ように子どもや若手を指導してよいと私は思う。「傲慢になる」と批判する人もいるが、それは「感謝の気持ちがない」ことが問題なのであって、感謝の念と同居させる限りにおいて「自信」は持たせるのが正解だと思う。欠点を指摘して矯正させることに重点を置かず、褒める指導に重点を置いた教育・育成をするよう心がけたい。(2013/03/07)

学生を試す企業は学生から試される。学生を疑う企業は学生から疑われる。とりあえず採用する企業は、とりあえずエントリーされる。誠実に語りかける企業は、学生からの誠実な声が届く。こだまでしょうか。いいえ、誰でも。...と金子みすゞさんも言っていたのではないでしょうか?(公共広告聞こう)(2013/03/07)

「どんな状況の中でも半歩でも一歩でも前に踏み出そうとする力。厳しい状況になろうとも、困難に遭遇しようとも、踏ん張り続ける力。その気持ちと行動力を維持し続けることが、これからの時代はとりわけ大切になってくる。 」これを引き出すにはどうしたらいいんでしょうねぇ。中小はこの力がないと本当に潰れてしまいます。(2013/03/06)

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