• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“とりあえずシューカツ”に流れる学生と企業の相似形

熱意を持った学生と巡り合うために失ったものを取り戻せ

2013年3月5日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「とりあえず数多くの企業にエントリーした」ことで学生は安心し、「とりあえずたくさんの学生を集めた」ことで人事部は安心する。そんな“とりあえず”を続けていると、自分がホントに「入りたい企業」なのかどうかが分からなくなり、ホントに「一緒に働きたいと思っている人」なのかどうかが、ぼやけてくる。

 そんな「とりあえず」を止めると、企業が動いた。

 「ロート製薬、あえて脱・ネット 『思い』を持つ学生と本音で対話」という見出しで毎日新聞が報じ、話題となったのは先週のこと。

 そのロート製薬のホームページに大きく書かれていたのが、前述の文言である。「とりあえずエントリー」の学生を批判するだけでなく、「とりあえず学生を集める」自分たちにも向けたメッセージを発したのだ。

 「とりあえず」を止める、と。

 実にいい。久しぶりにスッキリした気分になった。

就職先選びは人生における最大イベントの1つ

 何でもかんでも、まるで懸賞品に応募でもするように、「とりあえず」スマホをポチっとする学生にあ然とすることがあったし、「とりあえず学生を集めないと、上からプレッシャーがかかるんですよね」とさばききれないほどのエントリーシートに四苦八苦する採用の人に、違和感を覚えることもあった。

 もちろんとりあえずやってみて、思わぬ発見につながったり、自分でも気がつかなかった欲求や能力を見いだすきっかけになったりすることはある。でも、就職は違う。

 「就職先を志願する」ということは、人生の中で最も重みのある大切な行為の1つだ。たとえその先に転職することがあろうとも、自分の人生の時間軸で、共に歩む伴侶を見つける出会い。特に最初に就いたキャリアは、その後のキャリアに大きな影響を及ぼすため重要な道標だ。そんな大切な行事に“とりあえず”は軽すぎる。

 最近、うまく働けない若手社員や、彼らの教育に苦悩する管理職たちの話を聞くことが多いのだが、そこにも「とりあえず」思考なるものが一因になっているんじゃないかと思ったりもする。

 そこで今回は、「とりあえずシューカツ」が置き去りにしたモノについて考えてみる。

 「ロート製薬に思いを持った人だけに会う方法はないか」

 新聞で報じられている内容によれば、そんな思いでロート製薬が就職情報サイトでの募集をやめたのは、2011年度の採用時。ネットをやめ、応募を電話で受け付けるように変えたのだ。

 その結果、前年まで3万人近くに上った学生からのエントリーが800人程度に激減した。減ったことで学生と向き合える余裕はできたものの、「熱い思いを持つ学生」になかなか出会えなかったのだろう。

 だからこそ、「もっともっと」と考え続け、2014年4月入社の新卒採用からは全国約30の大学に社員が出向き、そこで開催するセミナーに採用側が積極的に参加し、直接会った学生からエントリーシートを受け付けようと決意したのだ。

コメント23

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

一覧

「“とりあえずシューカツ”に流れる学生と企業の相似形」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師