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笑う知性の飛翔・・・山口昌男さんを送る

山口昌男「中心周縁理論」から考える現代日本の閉塞感(3)

2013年3月22日(金)

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 人生には理屈で説明がつかないことがあるものだ。2月初め、何気なく「日本に社会を活性化する装置はあるか?山口昌男『中心周縁理論』から考える現代日本の閉塞感(1)」を入稿した。煎じ詰めて言えば、青く空に抜けるような「笑い」が不足しているという思いから、久しぶりに山口さんのことを書きたくなったのだ。

 すぐ続けてシリーズの2として「グアムとアルジェリアに見る『社会の通気』」を書いたあと、少し間を置いてシリーズの3を書こうと思っていたのだが、突然の山口さんの訃報を受けることになった。3月10日、今ここでこうして僕が原稿を書いている原点を作ってくれた、いわば「父親」の一人、文化人類学者の山口昌男さん(1931-2013)が亡くなられた。

 僕の勝手な事情を言えば「亡くなってしまっていた」という方が実はぴったりくる。山口さんが肺炎のため、都内の病院で息を引き取られた頃、僕は奈良の東大寺の通称「お水取り」修二会のフィールドワークのためほとんど情報メディアとプラグオフしていて、しばらく経つまでその事実を知ることがなかった。お通夜もお葬式にもうかがうことが出来なかった。ずっと奈良で若い連中と現場に張り付いていたからだ。申し訳ないような気もした。だが、いまこういうフィールドワークをしているのも山口さんのお陰なわけだしこういう送り方をさせていただくのも、ひとつの縁なのかもしれない、と思うことにした。

 『なぜ猫は鏡を見ないか』『笑う親鸞』『反骨のコツ』・・・僕は書籍に変なタイトルばかりつける。すべて山口昌男に原因がある。責任がある、とは言わない。実際山口さん自身の書籍は『道化の民族学』とか『文化の詩学』とか、むしろオーソドックスで品格あるものが多い。山口さんの訃報を聞いて、ふと最初に思ったのは、そろそろオドケたタイトルの本を出さなくてよい、ということなのかな、というようなことでもあった。

 4月からの日経ビジネスオンラインのリニューアルで、創刊直後から足掛け7年連載してきた「常識の源流探訪」も、今回を含めてあと4回で一区切りとなる。別の媒体で再開するかもしれないので、ひとまず「休筆」という形を取るが、足掛け7年ずっと書いてきて思うのは、連載があるということは寝ても覚めても気になっているものがある、子供を育てているようなものだということだ。一種の脅迫観念といってもいいだろう。そしてその強迫観念、というより一種の「明るい狂気」のようなものを。僕は山口さんからいただいたと思う。

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三品 和広 神戸大学教授