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「石油離れ」が進むアメリカ経済

石油供給のOPEC依存度低下は、原油価格の安定化に寄与

2013年3月27日(水)

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 第二次世界大戦以降、1度の例外を除き、アメリカ経済におけるすべての景気後退局面は、原油価格高騰に続いて起こった。そのため、原油価格の変動はアメリカ経済の景気を予測するうえで、極めて重要な要素となってきた。グラフは、オイルショックの指標として用いられているNet Oil Price Increase (NOPI) を示している。これは、今期の原油価格の変動 が過去3年間で経験したことのない上昇率である場合のみ、正の値を取る。グレーで示された部分は、アメリカ経済の景気後退局面を示している。NOPIが跳ね上がると、景気が悪化する傾向にあることが良く分かるだろう。

オイルショックの指標 (NOPI)
Hamilton (2003)に 基づき原油の米国生産者物価指数を用いて作成。グレーの部分は全米経済研究所(NBER)の定める景気後退局面。

 アメリカでは 、日々の経済活動を支えるために膨大な量の石油が消費されている。アメリカは世界で最大の石油消費国であり、石油消費の70%弱が輸送に使われている。他の国々と異なり、産業目的や発電に使われる石油エネルギーのシェアが小さいことが特徴だ。このことは、国土が広いこと、そして公共交通機関が発達してないことに起因する。ちなみに日本では輸送目的と産業用の石油消費がそれぞれ40%ずつのシェアを占める。米国エネルギー省のデータを基に計算すると、経済全体の1人あたりの石油消費量は、アメリカが9.6リットル/日に対し、日本では5.6リットル/日、韓国では7.3リットル/日、中国では1.2リットル/日である。

原油価格とGDP成長率の「非線形」な関係

 この石油依存度の高さが、アメリカ経済の景気循環において、原油価格の変動が大きな影響力を持っていることの要因である。高騰するガソリン価格は家計を圧迫し、燃費効率の悪いSUVやピックアップトラックなどの自動車需要を押し下げ、アメリカ国内の自動車産業に打撃を与える。くわえて、輸送費や原材料費の上昇により、多くの商品価格を押し上げる。多くの実証研究が、景気変動と原油価格の変動の関係を分析し、因果関係があることを確認してきた。

 一方で、原油価格とGDP(国内総生産)成長率の間には、「非線形」の関係が認められる事が様々な研究によって知られている。特に、原油価格の急激な上昇は景気を減速させるが、原油価格の大幅な下落が景気拡大を促進するわけではない。近い過去に経験したことがないような原油価格の上昇は、頻繁に起こる原油価格の上昇よりも経済活動により大きな影響を与える傾向がある。つまり、家計や企業も、一旦サプライズ的に上昇した価格に対して、物理的にも心理的にも適応したのちでは、似た様な原油価格の変動はあまり影響を持たないのである。

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「「石油離れ」が進むアメリカ経済」の著者

片山 宗親

片山 宗親(かたやま・むねちか)

米ルイジアナ州立大学助教授

1999年、慶應義塾大学経済学部卒業。米カルフォルニア大学サンディエゴ校経済学部博士課程修了。同年から現職。専門は、マクロ経済学と金融政策。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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