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源流を問わない常識は迷信と変わらない

先行きの本質を見通し、バブルに踊らされるな!(休載最終回)

2013年4月9日(火)

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 2006年、思いがけず開高健賞というものを貰って、音楽を生業とする私が40歳を過ぎてから職業原稿の依頼をコンスタントにいただくようになりました。

 国内のこうした賞というのは本質的に「景気浮揚策」、というか新人を売り出すPR、宣伝広告として出されるものです。例えば芥川賞や直木賞は新人作家、もっと明確に書くなら「新商品」をマーケットに喧伝するブランディングの装置です。私が「開高賞」というものを貰った理由は、コンスタントに一定水準程度の原稿を書くことが期待されてのことでした。確かにリハーサルや本番を重ねる音楽作りや音符を推敲する作曲のプロセスに比べれば、原稿を書くのははるかにシンプルな仕事で、自分ひとり頑張ればなんとかなります。

 ところが2006年ごろというのは、ネットの定着に伴って月刊誌がバタバタと休刊、というより廃刊していた時期に当たり、「開高賞作家」になった筈(?)の私も連載の場がなかなか決まりませんでした。これには私のほうから注文をつけたこともあります。オウム真理教・地下鉄サリン事件の実行犯となってしまった私の大学時代の同級生、豊田亨君の本当の体験を記そうとした「さよなら、サイレント・ネイビー」で開高賞を頂きましたが、私自身は骨の髄から叩き上げの「生涯一音楽人」ですし、また東京大学としては明治10年の建学以来、123年目で初めて任官する音楽実技の教授職でもあります。

 父祖の代からの私の生業で、世界で勝負する本分がありますし、日本国内でも自分がなすべき仕事があります。頂いた仕事のお話の中でも、実のところかなりのものをお断りしました。私は語りおろしで原稿を作ったり、ゴーストライターにまとめてもらうといった仕事の仕方をしません。すべて自分自身で原稿を打ちます。そうでなくて、どうして自分の名をもって責任を引き受けられる内容を世に問うていけるでしょう?

 当然ながら、毎週毎月、限られた数の原稿しかお引き受けすることは出来ません。が、こうなると「仕事をえり好みする、結局は大学教授だ」なんて言われたりもするのが日本の微妙なところですね(笑)。

 つまるところ「開高賞以降」の仕事として私が持つことになった連載は、岩波書店の月刊誌「科学」の「物理の響き・こころのひびき」という平易な解説連載と、創刊したばかりだった日経ビジネスオンラインの、この「常識の源流探訪」の2本となりました。岩波は部数的には限られたものですが、自分自身がゼロから整理した大事な内容を平易に、とくに若い世代に伝えるように、と大切に記すようにしました。

 それともうひとつ「日経ビジネスオンライン」を、口幅ったいですが、毎週大切に書き続けてゆく媒体として選ばせていただいた・・・それには個人的な理由と決意、確信がありました。

経済学部に進み損ねて

 本連載の読者には何回目かになると思いますが、私は経済、ないしは経済学のファンであります。子供の頃から音楽の生業は決まっていましたが、大学が一般大学というのも決まっていて、高校時代は経済学部に進むつもりでいました。それは、経済学者になりそこねた私の父のことが大きく影響しています。

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