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米学生スポーツのアマチュア規定は幻想?

「学生選手にも報酬を」という意見が急増する背景(上)

2013年4月12日(金)

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 学生スポーツは巨額のマネーを動かします。以前、「なぜ米国は「スポーツバカ」を戒めるのか(下)~大学スポーツが大リーグより儲かるカラクリ」でも解説しましたが、全米大学スポーツを統括している全米大学体育協会(NCAA)や1200以上ある所属大学が生み出す米国大学スポーツ全体の市場規模は約80億ドル(約8000億円)に達すると言われており、米メジャーリーグ(MLB)や英プロサッカーリーグのプレミアリーグを凌駕します。

 特に、4月上旬を迎えた今、米国スポーツ界は大学バスケが佳境を迎えています。全米各地のカンファレンスを勝ち抜いた64大学が頂点を目指す全米トーナメントが3月から開催されており、男女ともに決勝進出チームが出揃いました(この原稿執筆している4月8日時点)。その高い盛り上がりから、この時期は「3月の狂気(March Madness)」などと呼ばれます。日本で言えば高校野球の甲子園大会のようなイメージでしょうか。

 このトーナメントはNCAAの全バスケットボール収入の9割以上をたたき出す“お化けイベント”で、決勝戦(男子)のテレビ視聴率は、MLBのワールドシリーズやNBA(北米プロバスケットボールリーグ)のファイナル(年間王者決定戦)の視聴率を上回ります。その注目度の高さから、高額なテレビ放映権契約も結ばれます。

 地上波CBSとケーブル局のターナーは、NCAAバスケットボール男子トーナメントの2011年から2014年間の放映権料として108億ドル(約1兆800億円)を支払う契約を2010年に結びました。これは1年平均約7.7億ドル(約770億円)となりますが、MLBの年間放映権収入(約7億ドル)を上回る金額です(注:MLBの数値は全国放送で、衛星放送は含まない)。

 このように、NCAAは「学生スポーツ」を標榜していますが、その実態はビジネスです。一方、先のコラムでも指摘したようにNCAAは、半世紀以上も前に「学生選手(Student-Athlete)」という魔法の言葉を作り出すことに成功し、「学生の本分は勉強であるため、彼らはスポーツ選手である前に学生である」という建前から、プロ選手のように報酬を得ることを固く禁じています。

 しかし、半世紀以上も前に作られたこの「アマチュアリズム」は、NCAAがビジネスとしてその規模を拡大するにつれて、実態と合わなくなってきています。多くの面で、広く一般に許容されている社会的・法的常識との間に不整合を生み出しています。

 これにより、「学生選手にもきちんと報酬を払うべきではないか」とする意見が最近急増しています。こうした意見自体は半世紀前からもあったのですが、その存在感が近年特に高まっているように感じます。果たして、NCAAが規定する「アマチュアリズム」はもう幻想なのでしょうか?

コメント2件コメント/レビュー

せっかくNCAAの闇に斬り込むのであれば、ペンシルヴァニア州立大学のアメフト部助監督の、ロッカールームでの男児連続レイプ事件についても特集記事をお願いします。(2013/04/12)

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「米学生スポーツのアマチュア規定は幻想?」の著者

鈴木 友也

鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身。スポーツ経営学修士。中央大学非常勤講師

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

せっかくNCAAの闇に斬り込むのであれば、ペンシルヴァニア州立大学のアメフト部助監督の、ロッカールームでの男児連続レイプ事件についても特集記事をお願いします。(2013/04/12)

日本の高校野球でも同じ問題提起が起きそうなのに起きないのは文化の差なのか?、大手マスコミがバックについてるかなのか?(2013/04/12)

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