• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

「子供を産めば出世できる?!」 消費者庁新人事制度の“迷走”

実態を考慮しない改正は問題をさらに悪化させる

2013年4月16日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「昔、私はコレ(小指を立てる)でクビになりましたって、CMがありましたけど、私はコレ(お腹をさわる)で出世したんです! 5人も産んでしまいましてね(笑)。ほら、あれですよ、あれ。2013年度からうちでは、『育児休暇を取ると、人事評価でプラスになる』っていう人事評価になったアレです」

 こんなことを名刺交換の時、笑顔で語る人たちが出てくるかもしれない。いや、そんなふうに和やかに話せる空気が社会にあれば、楽しくていい。うん、実にいい。その光景を思い描くだけで、気が和む。

 「何をふざけたこと言っているんだ」
 「大体この書き方って、子育てをバカにしてるんじゃないか?」

 恐らくしょっぱなから口をとがらせている人がいるに違いない。

 でも、どうかそうネガティブに捉えないでほしい。冒頭のように、自らを笑い、それを笑って受け入れる。そんなおおらかな社会になればいいと願っただけ。

 何かと言うと人を批判し、切り捨てばかりが横行する、今のギスギスした空気が社会から抹消されればいいと思っただけなので、どうかご容赦くださいまし。

 今年度から消費者庁は、同庁の職員が育児休暇を取得した場合にプラス評価するよう人事評価制度を改正した。この制度は男女に関係なく適用される。つまり、育休を取った“イクメン”は、昇進や給与アップを期待できるようになったのである。

 そこで、今回は、「子育てと不公平感」について考えてみようと思う。

森・消費者担当相による制度改正の説明

 以前、このコラムで『育休フィーバーの影で犠牲を強いられる“正直者”たちの鬱屈』と題する記事を書いた時に、激しいコメントの応酬が巻き起こったので、「子育て」に関するテーマに再び挑むのは、少々ためらいもある。だが、今回の消費者庁の制度改革は、違う視点から考えるいい機会なので書き進めてみようと思います。

 まずは先月の19日(育児の日)にこの制度改正について説明した森雅子少子化・消費者担当相の記者会見の概要から紹介しよう(概略)。

 「育児の日にちなんで私から重大発表が一つございます。育児休暇を取った場合にどうなっているのかと消費者庁の人事担当に聞いたところ、「不利益扱いはいたしません」というところまでは答えたのですが、『不利益な取扱いをしないというだけでは不十分だ。育児休暇を取ったら利益になるような取扱いをしなさい』と指示を出しました」

 「育児休暇をとった場合には、消費者行政に必要な気づき等がその休暇の中で得られます。消費者庁の場合はそれを業務の中に生かしていくことができるので、それを人事評価でプラスにしていくことができるように人事評価制度を改正いたしました」

 「要するに育児休暇の取得を含むワーク・ライフ・バランスの実践に伴う生活者の視点の業務への反映、効率的な業務運営、良好な職場環境作り、学位及び資格の取得を通じた知見の蓄積等の効果について各職員に自己申告をさせ、人事評価に反映させることにいたしました。消費者庁が、霞が関におけるワーク・ライフ・バランス実現のモデルとなれるよう取り組んでいきたいと思います」

コメント57件コメント/レビュー

子供を作って育てるのをただの休みと考えてる方がいるのは驚いてしまいます。そういう風に考える人って自分の稼ぎ・働きだけで生きていると信じて疑わないのでしょうね。不思議なのは、育休を取った人は人事評価が上がるだけか。それに協力した同じ部署の方も人事評価が上がるのが順当なのではと思うのです。ただ(感情論になってしまいますが、)同僚の仲でも仕事ができないとか、人間関係が良好でない人の代わりを頼まれると「なんで私が」という感情が芽生えないわけではありませんので、社内の人間関係をよくするというのも重要なことだと思います。コミュニケーションをそつなく取るというのも会社人として仕事だと思うし、本人の話さない事は嗅ぎまわって探るわけにもいかず、結果として知らないのでサポートができない状況になる場合もあるからです。(2013/04/30)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

一覧

「「子供を産めば出世できる?!」 消費者庁新人事制度の“迷走”」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

子供を作って育てるのをただの休みと考えてる方がいるのは驚いてしまいます。そういう風に考える人って自分の稼ぎ・働きだけで生きていると信じて疑わないのでしょうね。不思議なのは、育休を取った人は人事評価が上がるだけか。それに協力した同じ部署の方も人事評価が上がるのが順当なのではと思うのです。ただ(感情論になってしまいますが、)同僚の仲でも仕事ができないとか、人間関係が良好でない人の代わりを頼まれると「なんで私が」という感情が芽生えないわけではありませんので、社内の人間関係をよくするというのも重要なことだと思います。コミュニケーションをそつなく取るというのも会社人として仕事だと思うし、本人の話さない事は嗅ぎまわって探るわけにもいかず、結果として知らないのでサポートができない状況になる場合もあるからです。(2013/04/30)

養子を迎えるには夫婦がそろっていて片方が育児に専念でき、かつ一定の高額な世帯収入が必要です。暴力男や借金男に苦労させられるような結婚は御免です。それでも子供はほしいし養子で構わないし、育児できる経済環境もあるけれど国が認めないのです。いっそテキトウに子供作って未婚の母になろうとしましたが、好きでもない相手との作業は苦痛で続きませんでした。日本にも精子バンクがあればいいのに。◆ついでに言うと、育児世代は独身者の面倒を見る世代を育てていると言いますが、それならその子がニートの生保生活や若くして事故や病気で障害年金をもらうようになったら、どう責任をとるのでしょうか。我々独身者が納める税金や年金の世話になるってことを忘れずに。結局お互い様なのですよ。(2013/04/20)

職場の風土を良くしたかったら業績評価を徹底させればいいだけのこと。休んでばかりの子育て社員とそれをカバーしている社員の評価に差が変わらないから不満もたまる。逆に休みが多くても必要な仕事をきっちり短時間でこなして成果をあげている女性の業績を評価せず、単に子育て中だからというだけで不当に低い評価をするからモチベーションも下がり不満もたまる。どれも評価する上司の力量が問われます。子育て中だから評価をプラスになんて、必要な対策の真逆を行ってます。安部総理の言い出した育休3年制度共々、このままでは女性が働く場所がなくなるのではないかと、本気で心配しています。スウェーデンで「負担が増えなかった」という回答が多いのは、あちらは他人の仕事はしないのが当然だし、そもそも契約社員で代替可能な業務しかしていないからですよね。賃金も契約社員の賃金がいいのではなく、正社員の賃金が契約社員並みだったりするだけのことですし。そこのところは当然分析されてますよね?大学の先生ですから当然してるものと思いますが、知ってこういう粗雑な理論展開をするのは意図的なものなのでしょうか?(2013/04/20)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授