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公的セクターでの「見える化」を首長の武器に

空港の“連結決算”開示で証明された効果

2013年5月13日(月)

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 「見える化」という言葉が、ビジネスの世界でごくごく普通に使われるようになってから久しい。課題を「見える化」してチーム全体で共有し、解決の糸口を探る。あるいは、何かを実行する際の進捗状況を「見える化」することで、実行貫徹の確率を高めていく。こういった際に「見える化」の効果が非常に大きいことを、我々の多くが自然と受け入れるようになったことを示しているのだろう。

 余談になるが、海外では、生産プロセスの専門家を別にすれば、「JIT(ジャストインタイム)」や「KAIZEN(カイゼン)」ほど頻繁に使われる感じではない。同様の意味でよく耳にするのは、"What gets measured gets done"という表現。「測定できれば、実行できる」という意味で、数値化、定量化という側面が強調されている。日本での「見える化」は、プロセスや情報流を図で示したりすることで課題解決の切り口を得る、といったことも含めて使われるので、それよりはかなり狭い意味で使われることが多い表現だと思える。

ビジネスにとどめるべきでない「見える化」の活用

 この「見える化」は、ビジネスの世界にとどめることはない。その活用範囲を公的セクターに広げて、社会に価値をもたらすツールにすることが可能なはずだ。もちろん、様々な場所で広義の「見える化」の試みは行われている。これをさらに明示的に、「新たなやり方を導入しよう」「従来のやり方から脱皮しよう」という志を持っておられる首長の「武器」にできるよう、社会システムを整えていく余地が、あちこちに存在するように思えるのだ。

 これを実感させられたのは、日本の空港政策の一部が大きくシフトする際の出来事だった。2009年から2010年5月にかけて行われた国土交通省の成長戦略会議という場があった。私自身、個人的に、この中の航空分野のとりまとめをお手伝いさせていただく機会に恵まれた。

 幸いなことに航空分野については、格安航空会社(LCC)の参入促進や、関西国際空港の伊丹空港との統合など、この手の会議としては珍しいくらい提言が実行されてきている。従来にない政策の実行に向けて、汗を流された様々な方々の努力には、素直に頭が下がる思いだ。

さて、提言から3年を経て、ようやく実行に近づいてきた政策に「世界の常識に合わせた空港経営体制作りと民間への経営委託」というものがある。

よく単純に「空港の民営化」といったことが言われるが、この「空港」という部分が曲者である。日本の大部分の空港の場合は、滑走路部分は国や地方自治体の「官営」、ターミナルビルは第三セクターなどの「半官半民」、駐車場は環境整備事業、すなわち騒音対策などを主目的とする公的団体による「(ほぼ)公営」、といった複数の事業体がそれぞれ経営する形態を取っている。

 本来は、空港自体の魅力を高め、発着便数や利用客数を増やすことで収益を上げていくことが、経営の目的のはず。それが結果的には、地域の観光収入増など地域振興にも役立つ、というのが望ましい。だが、そうなりにくい構造の空港が多いのだ。

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「公的セクターでの「見える化」を首長の武器に」の著者

御立 尚資

御立 尚資(みたち・たかし)

BCGシニア・パートナー

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士。日本航空を経て現在に至る。事業戦略、グループ経営、M&Aなどの戦略策定・実行支援、経営人材育成、組織能力向上などのプロジェクトを手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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