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歌舞伎座が地下鉄“直結!”ではないワケ

養老孟司×隈研吾対談:生まれ変わった歌舞伎座を見に行こう(1)

2013年5月23日(木)

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 この春、一番の話題は、東京の歌舞伎座の新規開場。連日、こけら落とし公演で賑わっています。その新しい歌舞伎座の設計を担当したのが、建築家の隈研吾さん。日経ビジネス オンラインの対談シリーズで親しい養老孟司先生を、隈さんがみずからが歌舞伎座を案内しました。

養老:新しい歌舞伎座は、「新しくなった」という感じがしないですね。もちろん工事期間はあったけど、フタを開けてみたら、もとからこのままあったような印象を受けます。伝統的な建築が建て替えされるときって、違和感がぬぐえないでしょう。でも、今回はその違和感が希薄ですよね。

:今年の4月2日に新規開場した歌舞伎座は、建物として5代目、第5期になります。建物の変遷については、後ほどお話しするとして、まずはこの第5期の歌舞伎座を、養老先生にご説明していきましょう。

養老:お願いします。

歌舞伎座の後ろは高層ビル。でも「気にならない」

:先代となる第4期の建物は、昭和26年にできたものでした。今回、クライアントの松竹の要望は、その第4期を基本的に再生させて、その後ろに超高層ビルを建てるというものでした。伝統の歌舞伎座に、現代の超高層というのは、みなさんがいちばん違和感を覚えるところだと思います。その違和感を消すために、超高層ビルをどこまで後ろに引っ込めることができるかが、一つの勝負どころでした。実際に竣工してみると、みなさんに「高層ビルがほとんど気にならない」と言っていただき、ほっとしているところなんです。

(写真:吉田 誠)

養老:建物の前に立つと、当然のことながら、後ろの超高層は見えなくなりますが。

:後ろの超高層ビルは、歌舞伎座に向いている面を、白い格子の表情にしました。建築の専門用語で言うと、「捻子連子格子(ねんじれんしこうし)」というパターンなのですが、その格子を採用することで、オフィスから残業時の光が漏れてこないようになっています。超高層ビルは現代的な表情ですけど、あの白い、ちょっとひねった捻子連子のパターンで、歌舞伎座との調和も図れたのではないかと思っています。

養老 孟司(ようろう・たけし)氏
解剖学者/作家/昆虫研究家。1937年生まれ。62年東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ。95年東京大学医学部教授を退官し、その後北里大学教授に。東京大学名誉教授。著書に『からだの見方』(筑摩書房、サントリー学芸賞)『唯脳論』(青土社)『人間科学』(筑摩書房)『バカの壁』(新潮社、毎日出版文化賞)『死の壁』(新潮社)など、専門の解剖学、科学哲学から社会時評、文芸時評までを手掛ける。

隈 研吾(くま・けんご)氏
建築家。東京大学教授。1954年生まれ。1979年に東京大学工学部建築学科大学院を修了。米コロンビア大学客員研究員を経て、隈研吾建築都市設計事務所主宰。97年に日本建築学会賞を受賞(宮城県登米町伝統芸能伝承館「森舞台」)。99年慶応義塾大学環境情報学部特別招聘教授。2001年同大理工学部教授に就任。2009年から東京大学教授。主な著書に『負ける建築』(岩波書店)、『つなぐ建築』(同)、今シリーズのまとめ役、清野由美との共著『新・都市論TOKYO』『新・ムラ論TOKYO』(集英社新書)がある
(写真:鈴木愛子、以下特記なきものは全て鈴木氏撮影)

養老:歌舞伎座の前に立つと、壁に目が行きますね。この外壁の白、いいなと思って。ありがちなピカピカ感がなくて、すっと街に馴染んでいる。

(写真:松竹株式会社)

:この白は特別な白なんです。昔ながらの塗装を再現したのではなく、ケイ素の粉を、粉体塗装という技術で吹き付けたもので、その技術によって、とても深みのある優しい白が実現できました。この塗装は、雨が当たると自浄作用で、みずからきれいになるんですね。ですから第5期は、4期の歌舞伎座を踏襲しているようで、実は格段と仕様がアップしたバージョンなんです。

養老:病院の壁も、こういうふうにするべきですな。あの病院の真っ白な壁って、嫌なもんでしょう。

コメント2

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「歌舞伎座が地下鉄“直結!”ではないワケ」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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